この講座は、関東学院大学の実験室で大学の機材を使い、大学の先生に教わりながら本格的な実験を行うものです。
毎回2つの講座が用意され、それぞれ希望した生徒が集まります。今回は「コンピューターの基礎〜ディジタル演算」の講座の様子をお伝えします。
この日の先生は、関東学院大学理工学部情報学系の教授の方です。先生は人工知能、知能ロボティクス、ソフトコンピューティング、ニューラルネットワークなどを専門にされています。まさに時代の最先端の研究です。
この日の授業では「E-Station」という電気、電子の学習ができる実験キットを使って、コンピューターの元になっているディジタル回路を作成し、その動作を観察する実習を行います。
「E-Station」はブレッドボードという基盤に簡単に電子回路を組み立てることができ、それにつなぐ電源、電流や電圧を測定するオシロスコープまでがセットになった便利なキットです。大学生の基礎的な学習にも用いられているようです。実際に接続しながら、「E-Station」の基本的な使い方を学んでいきます。
先生から基本ゲートであるNOT,AND,OR回路について学び、それを組み合わせたNAND回路やNOR回路についても教えてもらいました。これらの回路を膨大な数組み合わせて、パソコンやスマホができているそうです。
話はちょっと難しかったですが、いよいよ実験です。NOTゲート,NANDゲート,デコーダ回路(メモリ素子の元)のいずれかを選んで回路を作ります。プリントや見本の回路を見ながら組み立てます。作業に入ると、みな無言で黙々と作業に没頭していました。
時間が足りず、完成した生徒は少なかったですが、回路の動作をお手本の回路を使ってみんなで確認しました。完成した生徒も少しの組み間違いで、正しい結果が得られなかったようです。正確さが問われる緻密な作業でした。
本校でもクロームブックが導入されたり、授業でプログラミングが扱われるようになったりと、ICT機器にふれる機会が増えています。将来関東学院大学に進み、エンジニアとして羽ばたく生徒が現われることを楽しみにしています。
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今日は、創立記念にあたり、北海道大学の前身である札幌農学校で教えられた有名なクラーク博士の「Boys、be ambitious!」の由来と、それが、関東学院とどういう関係があるかをお話します。
1876年(明治9年)8月、明治新政府は、北海道に、札幌農学校を創立しました。その時の北海道開拓長官は、黒田清隆でした。陸軍中将でした。黒田長官は、農学校の施設、運営、教育の実際に当たる人物を、アメリカに求め、マサチューセッツ州立農学校の校長であったウィリアム・スミス・クラークを招聘しました。彼は、南北戦争に従軍して陸軍大佐になった人です。
こうしてクラーク博士は創立の前月、1876年7月、横浜に上陸し、品川から玄武丸という船に乗って、北海道に赴任したのです。小樽港に上陸し、そこから陸路、札幌に行くのです。
玄武丸の中には、第一期生として選ばれた学生と、黒田長官が一緒に乗っていました。船中で、黒田長官はクラーク博士に聞きました。「この度の新設の学校の目的は、人格の高い人物を養成するのが第一でなければならないと思うが、それについてあなたはどういう方針を持っておりますか。」すると、クラーク博士はこう答えたのです。「私は、キリスト教以外に最高の道徳はないと思います。ですから、この新設の学校においては、精神教育の根底をキリスト教に、即ち、聖書において教育しようと思います。」これに対して、黒田長官は「それは困る。日本には儒教があり、神道があります。何を好んで外国の宗教を取り入れる必要がありますか。キリスト教を入れることは許しません。」と反対したのです。クラーク博士は、それに対して、キリスト教の教えを懇切丁寧に説いたのです。しかし、議論を闘わせてもお互いになかなか譲りません。一方は陸軍中将、他方は陸軍大佐、二人とも軍人です。その信じるところを曲げない。とうとう、船は小樽について、いよいよ札幌へと陸路を行くことになりました。
開校が迫っているのに、まだ決定しない。そこでクラーク博士がこう言ったのです。「私が教育の根底に聖書を教えることができなければ、就任をお断りし、これから引き返して、アメリカに帰ります。」黒田長官は「開校は来月に迫っている。今、あなたに帰られては、開校ができない。・・・・・・・・仕方がありません、それでは、聖書を教えることを許します。しかし、あまり大げさにやらないように・・」と言って、とうとう折れたので、札幌農学校は予定通り開校することになったのです。
開校式の日に、学生がその式場に行ったら、一人ひとりの机の上に分厚い聖書が一冊ずつ置いてありました。それは、クラーク博士が横浜で英語の聖書50冊を買って持ってきたのでした。授業の前に聖書講義をもって始めたということです。もちろん、クラーク博士は農学を教えるために来たのですから、植物・動物・生物学、それから土壌学など、その方面に関する所の豊かな知識をもって教授されました。しかも、「それを運用する所の人物が、キリスト教の精神によって養成されたのでなければ、そのサイエンスを人間のために立派に役立たせることはできない」と言う確信をもって教えたのです。
教えること8か月。3月に契約期限が終わり、クラーク博士はいよいよアメリカに帰ることになりました。1877年(明治10年)4月16日、北海道室蘭を経由してアメリカに帰る事になったので、その日、学校の職員と学生が馬に乗って見送ったのです。島松という所に来ると皆は馬から下りて休憩しました。しばらく休んだのち、クラーク博士は学生一人一人と堅い握手をかわし、再び馬に乗りました。そして、「Boys, be ambitious!」の一言を残し、馬に鞭を当てて、森の陰に消えていったのです。これがあの有名な「青年よ、大志を抱け。Boys, be ambitious!」の由来です。
クラーク博士はアメリカに帰る前の月に、「イエスを信じる者の誓約」を英文で作成しました。その中には、キリスト教の大切な信仰を箇条書きにしてあり、「われわれはこれを信じ、この約束を守る」と書き、クラーク博士は一番先に署名し、それから学生に順々に署名させたのです。その時に15名が署名しました。クラーク博士はそれを置いてアメリカに帰ったのです。第一期生15名が署名し、それから、内村鑑三、新渡戸稲造らが第二期生として札幌農学校に入学し、その誓約に署名をしたのです。
クラーク博士から直接教えを受け、「Boys, be ambitious!」の言葉を直接聞いた第一期生の渡瀬寅次郎が、関東学院の前身である東京学院の初代院長になりました。坂田祐が東京学院に入学したのは、渡瀬寅次郎が院長を退任した2年後のことでした。1904年(明治37年)4月のことです。その年の2月、日本とロシアの戦争がはじまり、兵役にあった坂田は、この高等科で学ぶこと2か月で戦争に行くことになりました。そのために、高等科を卒業することができませんでした。日露戦争が終わり、坂田は日本に帰り、高等学校に入学するための資格を得るために、今度は東京学院の中学部に入学しました。続いて第一高等学校に入学し、ついに東京帝国大学に入学し、1915年(大正4年)にこれを卒業し、母校東京学院の教師とのなったのです。そして、1919年(大正8年)、坂田は横浜に中学関東学院を創立したのです。
坂田祐は「Boys, be ambitious!」の教育を受けた渡瀬寅次郎が創立の院長であった東京学院で学び、「Boys, be ambitious!」の精神の下に、第二期生として学んだ新渡戸稲造が校長であった第一高等学校に入学し、新渡戸の教えを受け、「Boys, be ambitious!」の精神の下に教育された内村鑑三の門に入って、聖書を学んだのです。このような経歴を持った坂田祐は、横浜の関東学院創立の責任を担うことになり、内村鑑三から親しく指導を受けたのです。
中学関東学院を横浜に創立する時に、「キリスト教を表面に掲げては学校が発展しないから、中学校としての特典を有する普通の中学校としてやった方がよいのではないか」と言う意見がありました。なぜそういうことになったかというと、1899年(明治32年)に、政府が文部省訓令第十二号をもって普通の中学校並びに高等女学校が、宗教を教えたり、宗教の儀式をやったりすることを禁じたからです。しかし、坂田は「普通の中学校としての特典が得られなくとも、キリスト教を正面に掲げてやらなければ真の教育ができない」と主張し、関東学院中学校ではなく、中学関東学院として創立したのです。それ以来、変わらず、戦争中も、逆風の中にあっても、キリスト教を正々堂々と掲げ、聖書を道徳の根底として生徒たちを教え・導いてきたのです。
太平洋戦争が終わった後、学校教育に宗教教育の自由が与えられました。坂田祐をはじめとするキリスト教学校の校長たちは、文部大臣に申請して、長い間、キリスト教学校を悩ましてきた文部省訓令第十二号を撤廃してもらいました。その時の文部大臣は前田多門で、内村鑑三の弟子でした。
今、関東学院は、政府の学校と同等の資格、特典を与えられ、その上に、自由に聖書を教え、キリスト教の儀式ができるのです。皆さんは、関東学院六浦中学校に入学し、一人一人は聖書を手にしています。これは、学校の建学の精神の土台は聖書にあることを知ってもらい、理解してもらい、聖書によって人格を養っていくためです。関東学院の建学の精神はキリスト教の精神です。この建学の精神を具体的に表現するために「人になれ 奉仕せよ」の二つの言葉を校訓と定め、創立以来99年、これを強調してきたのです。その根底である土台はイエス・キリストです。皆さんが、この建学の精神に堅く立ち、「人になれ 奉仕せよ」の校訓の実現に努力されるよう希望し、このために祈るものです。
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――今回の作品、タイトルを教えてください。
「タイトルは『和の街〜京の風物詩〜』です。」
――京都の街並みをテーマにしたとのことなのですが、どのような経緯で京都の模型を作ることになったのですか?
「今年は日本らしい風景を模型にしたいと思いました。最初は川沿いの桜、春祭り、お花見と川などいろいろな案が出ました。春の京都って案もあったんですけど・・・華やかさを大事にするために祭りを中心にしました。」
――製作期間はどれくらいですか?
「だいたい4〜5ヶ月です。特に設営の1週間前から前日に集中して製作しました。」
――お客様や審査員の方からのコメントで特に印象に残ったことを教えてください。
「審査員さんから『1位から3位まではどれも僅差でしたが、華やかさではこれが一番良かった』と言われたときは本当にうれしかったです。細かい点から雑な点まで色々ありましたが、勢いで乗り切ったなぁというのが正直な感想です。」
――今回は3度目の優勝とのことですが、過去他校ではどのような部活が優勝したのですか?
「地理部や歴史部など、鉄道とはあまり関わりのないような部活が多かったです。女子校が優勝することもありました。やはり作りの細かさ、ストーリー性のあるものが優勝につながるのかなと思いました。」
――最後に感想と、来年の全国大会に向けた意気込みをお願いします。
「作った側じゃなくて観る側を意識していきたいです。最優秀賞をとったからと作品をそのままにせず、見本として細かく分析し、次のコンテストに向けて良いジオラマを作りたいです。」「アイデアを集めて結果良い賞がとれたから、来年も表現したいものを大事にしつつ今年得た経験を活かしていきたいです。」「見れば見るほどスキのないような模型を製作します!そして2連覇を目指します。」
鉄道研究部は、11月にドイツ・シュツットガルトにて行われる「ヨーロピアンNスケールコンベンション」に出場します。来年も素敵な作品を楽しみにしています。
(SCS4年 U)
第1部は(株)ベネッセコーポレーションより石坂様をお招きし、「希望進路の実現に向けて〜高校1年生という時期について考える〜」という題で講演会を行いました。
最初は「目を瞑り、イメージしてください。今ここにカエルが3匹います。右は母カエル、左は父カエルです、では真ん中は何でしょうか」という問いから始まりました。「子カエル」という答えが多かったのですが、正解は…カエルですから大人でしかありません。子供はカエルではなく、オタマジャクシですから…。
つまり、『必要なことは「思い込み」をしないこと。「自分はこうだ」という思い込みは、将来の選択を大きく誤ることがある』というお話でした。進路選択の考え方として、まず、自分を知り社会を知る。その中で大きな幅を持って進路選択をするべきであることをお話いていただきました。
次に、2021年からの入試改革についてのお話です。2021年から?「大学入試共通テスト」が導入され、?「英語4技能検定試験」へ対応していかねばならず、?「多面的・総合的評価試験」が導入される、ことについて説明していただきました。
その中で、「本校は全国的にも評価されている英語教育を行っている」とお褒めの言葉を頂いています。 そして、?、?はいままで何度も生徒に話してきていたことですが、?について「主体性」とは何か。その「主体性」から何を学ぶのか、を重点的にお話していただけました。
今まで、身近な教員の話ではありましたが、さらに専門的な方向からのお話を真剣に聞いていたと思います。 第2部は各クラスにおいて「なりたい自分になるために」と題して、「漠然ではあるかもしれないけれど、卒業式を迎えた日にどんな自分になっているか」を考えさせるワークシートに卒業までの目標スケジュールを記入させる作業を行い、これから重要になってくる「E-Portfolio」の説明、「自分で作る調査書」、つまり、「主体性」の重要性を考えました。
高校を卒業するまであと2年と半年。この期間が長いのか短いのかは本人次第だと思います。しかしながら、ただ単に言われたことを100%やるだけでは「主体性」は0です。どうして学ぶのか。何のために学ぶのか。これからの自分はどうあるのか。を考えることができた1日でした。
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どの班も協力して実験している様子がみられました。この実験ではグラフの書き特徴をみます。生徒たちは加えられた力とバネの伸びには比例の関係があると分かったものの誤差を考えながら直線を引くことに苦労している様子でした。これからも科学的なものの見方を大事にして実験に臨むことを期待しています。
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・高校男子ラグビー部
高校男子ラグビー部は、春の関東大会予選準決勝において桐蔭学園には惜敗しましたが、関東大会に4年連続で出場しました。関東大会では、一回戦勝利し、決勝戦では、東京都代表早稲田実業高等部に勝利し初のブロック優勝を成し遂げました。秋の花園予選に向けての活躍が期待されます。高校男子ラグビー部へのあたたかいご声援をお願いします。
第66回関東高等学校ラグビーフットボール大会 神奈川県予選会
三回戦 対 向上高等学校 本校 113 対 0 本校勝利
準々決勝 対 法政大学第二高等学校 本校 40 対 14 本校勝利
準決勝 対 桐蔭学園高等学校 本校 25 対 56 本校惜敗
第66回関東高等学校ラグビーフットボール大会 Eブロック
1回戦 対 山梨県立吉田高等学校(山梨) 本校 57 対 12 本校勝利
決勝戦 対 早稲田実業高等部(東京) 本校 27 対 12 本校勝利 <<初のブロック優勝>>
・中学男子ラグビー部
中学男子ラグビー部は、春の関東大会予選において2年連続の出場権を勝ち取りました。関東大会ではBブロック3位という成績に終わりました。秋の東日本大会予選に向けての活躍が期待されます。中学男子ラグビー部へのあたたかいご声援をお願いします。
第69回関東中学校ラグビーフットボール大会 Bブロック
1回戦 対 慶應義塾中等部(東京) 本校 18 対 31 本校惜敗
3位決定 対 鎌倉学園中学校(神奈川)本校 43 対 12 本校勝利
・中学女子ラグビー部
神奈川県女子選抜は、4戦全勝で優勝し、9月に行われます全国大会(太陽生命カップ)に関東第一代表として出場。
第12回東日本U15中学生ラグビークラブ大会
〜太陽生命カップ第9回全国中学生ラグビーフットボール大会ラグビースクール&女子の部・東日本地区予選
1回戦 対 東京都中学校女子選抜 36 対 0 勝利
2回戦 対 東関東女子選抜 45 対 7 勝利
3回戦 対 東京都スクール女子選抜 22 対 10 勝利
4回戦 対 北関東信越女子選抜 17 対 12 勝利
・テニス部
第38回横浜地区高等学校テニストーナメント大会
4月1日〜3日 女子団体 第3位
平成30年度神奈川県高等学校テニス大会
4月23日〜5月20日 本戦出場者 ・男子シングルス 6年男子 ベスト64
・男子ダブルス 6年男子・5年男子ペア ベスト64
・男子団体 ベスト16
平成30年度神奈川県中学校テニス大会
4月29日〜5月4日 本戦出場者 ・男子ダブルス 1年男子ペア ベスト32
・女子シングルス 2年女子 ベスト64
・弓道部
春季大会兼関東大会県予選会
5月4日 県立武道館 個人の部優勝・皆中賞 5年女子
・卓球部
神奈川県私立中学校卓球大会
男子個人戦 3年生の部 第3位 3年男子
・スキー部
第35回 神奈川県高等学校スキー新人大会
新潟県キューピッドバレイスキー場 アルペン競技≪男子回転競技≫ 第3位 6年男子
≪男子大回転競技≫ 第2位 6年男子
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新入生を迎え、新たな年度の始まりと共に図書館は多くの生徒に利用されています。静かに読書や自習に励む生徒、図書委員として貸出業務や掲示物作成に勤しむ生徒、自由でのびのびとした時間と空間が図書館にはあります。今年度も生徒にとって利用しやすい環境を目指し、授業でも活用できる図書館にしていこうと考えています。生徒の皆さんの利用をお待ちしています。
(図書館長)
1年生国語と図書館の連携 |
若者の読書離れが進むなか、先日文部科学省から「第4次 子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」の通知が届きました。そこには、特に高校生の不読率が依然として高いことが挙げられており、次の理由が提示されていました。?中学生までの読書習慣の形成が不十分であること、?高校生になり、読書の関心度合いの低下が見られること、?スマートフォンの普及等による子供の読書環境への影響の可能性があること、の3つが明らかになったようです。これを受けて本校図書館はどうあるべきか……。
今年度は、1年生の国語の授業と今までよりもさらに連携を深め、生徒の読書活動の推進を図っています。理由?の対応策になっていると思いますため、ご紹介させて頂きます。
分類
ここ最近の新入生図書館ガイダンスでは、本の分類や書架の並び方などを学ぶために、2人ペアで行う本探しゲームを取り入れています。一方がブックカタログから欲しい本を選び、本探しカードに配架場所や請求記号を記入します。もう一方の生徒はそのカードを持って書架へ探しにいき、本を持ってくるというゲームですが、時間の関係上、2人の役割を交代することはできません。今年度は、「私ももう一方の役をやりたい!」という声を何度も耳にしました。
そんなことから、最初の図書館授業は、このゲームの交代バージョンを行いました。また、ゲームの応用として、この時間に借りる本の分類を「9類(文学)」に限定し、9類の配架場所や、9類にはどんな本があるのかという知識を定着させました。この時期は、1日の貸出冊数が100〜250冊にもなりました。
辞書(語彙力)
2回目の授業は「辞書」がテーマでした。司書教諭からは、実践を交えながら辞書や事典についての説明がありました。国語教員からは、1年間で自分の知らない言葉とその意味を書きこんでいく「自分辞書」導入の説明です。自分辞書に綴じていくプリントは図書館カウンターに設置してあるBOXから自由に取っていくようにしてあります。最後は、既習単元の意味調べを行い、自分辞書の第1ページ目としました。また、グループごとに異なる出版社の辞書を用いたため、同じ語句でも辞書によって書かれている説明が異なることを皆で確認できました。
文章(書く力)
図書館での3回目の授業は、文章の書き方がテーマでした。書く力も、この1年間を通して図書館と連携を図ります。天城の感想文の書き方や原稿用紙の使い方のおさらいを司書教諭のレクチャーの中で行い、段落構成に沿った構成メモを書き出しました。その後は、次の単元の意味調べをグループで行いました。
他にも1学期は、辞書関連のワークや調べ学習、ビブリオバトルとPOPづくりの導入などを取り入れます。楽しみながらも大事なことを学んでいくこの機会を、生徒も教員も大切にしていけたらと思います。
精神的に図書館が自分のそばにあるということ、本や辞書などがいつもそばにあるということ。そういった環境が生徒の人間性や学習活動に良い影響を与えると信じています。図書館は学校や学びの中心にあるべきだと言われているなかで、これらの活動は大いに意味があると言えます。また読書離れの予防になれば幸いです。
(司書教諭)
この10ヶ月間について話したいことは色々あります。最初、僕は何も知らなくて、とても緊張していて、困りました。ですが、部活に入ってからすぐに新しい生活に慣れました。友達を作るのは難しかったです。日本語を喋れなかったし、何も分からなかったです。ですが、皆がよく教えてくれたから早めに日本語がだいたいできるようになったと思います。サッカー部の時間はとても楽しかったですが、練習がたいへんでした。初めに全然できなった時、僕は諦めたく感じましたが、皆は練習をいっしょうけんめいしていて、そしてずっと僕に優しくしてくれたから続けました。最後の2ヶ月間には、僕がたくさん思い出を作りたくなったから、部活をやめて友達とたくさんあそぶつもりだった。この10ヶ月の間に友情を作りました。そして今は僕の親友と呼べる人がいます。
メキシコに帰ると、また新しい生活が始まります。皆さんに伝えたいのは、新しいチャレンジを恐れてはいけない、そのチャレンジを楽しむこと。この10ヶ月間は最高だと思います。今までずっと感謝しています。ありがとうございました。
(留学生 男子)
もうすぐ留学期間が終わります。私はこの学校に来て世界中のたくさんの人と友だちになりました。友だちとホストファミリーとの思い出をいつまでもわすれません。日本ではたくさん新しいことを経験しました。それはおだわらじょうに行ったことやちょうちんを作ったことです。学校は本当にきびしいと思います。テストのときにわからなくてストレスになりました。むずかしかったけどさいごまでがんばりました。日本にいるときにこまったことがあります。それはクリスマスのときにかぞくに会いたかったことです。今までクリスマスはファミリーとすごしていたのでさみしかったです。私はこのけいけんをいかして日本にもどってきて英語の先生になりたいです。日本が好きだから日本に住みたいです。日本語ももっと上手に話したいです。留学はかんたんじゃないけどちょうせんしてがんばりました。オーストラリアに来たときはアデレードに来てください。みなさん、お元気で。また会いましょう。
(留学生 女子)
私は今5年1組にいます。日本へくる前私はすごくきんちょうしていました。その時の私の日本語はまだあまり上手ではないので、友だちができるかしらとか、みんなは私のことを好きになってくれるかしらと思って心配していました。でも日本へ来たらそんな心配はいりませんでした。さいしょはちょっと大変でしたが慣れたらけっこう大丈夫でした。学校のみんなはとても優しいです。私の友だちになってくれてありがとうございます。みんなと一緒にいられて幸せだと思っています。みんなとのおわかれが近づいてきたことを思うと、寂しくなりました。もし今まで誰かにめいわくをかけたようなことがあったとしたらごめんなさい。この10ヶ月みんなと一緒に勉強したり遊んだり、球技大会に参加したりいい思い出がたくさんできてありがとうございます。絶対忘れません。最後に本当に色々ありがとうございました。タイに帰って日本で経験したことを活かして頑張りたいと思います。またいつか会いましょう。
(留学生 女子)
この10ヶ月いっぱい悲しいこととうれしいことと楽しいことがありました。さいしょの2週間はりょこうのように感じました。そのあと日本に10ヶ月とどまるときがづいて10ヶ月も自分は日本にいられないと思いました。初めは日本語喋れなかった。そして友だちの言ったことが分からなかった。だからさびしかったです。そんなときイタリアをたくさん考えました。イタリアに帰りたいと思いました。何回も諦めないと思ってがんばりました。友だちを作れたことが本当にうれしいです。友だちとたくさん遊んだことが楽しかったです。そしていっぱい思い出を作りました。その思い出を忘れません。ホストファミリーと仲良くなりました。かぞくと会えなくてもさびしくないです。日本に留学生とだから色々なばしょにいって楽しかったです。留学生たちは今ファミリーです。
I'm very thankful to my friends and host family and
the exchange students who always help me when I need
it. Studying abroad has always been one of my dreams
and I’m very happy that I could achieve it. I hope that
all the students of the KGM will finds and achieve their
dreams.
(留学生 女子)
「おもてなし」という言葉は、世界でも良き日本の文化として広く認知されつつある言葉となっているようです。
「おもてなし」の意味は、動詞としての言葉「もてなす」、「ものを持って成し遂げる」ということから来るようです。そしてもうひとつの意味として「表なし」、つまり表も裏もないことを表す意味でもあるようです。相手が誰であろうと、思いやりを持ってこれに当たり成し遂げることと言えます。
「おもてなし」を英語で表すと、ハピネスとなります。このハピネスという言葉を企業理念として実践している企業が千葉は舞浜にあります。皆さんもよくご存じの東京ディズニーリゾートです。
4年生では毎年キャリア教育の一環として、東京ディズニーアカデミーのプログラムを通した職業研修を行っております。今年も5月11日(金)において校外研修が行われました。
初めに東京ディズニーランドに隣接するホテルサンルートプラザ東京で、「将来の自分に向けて」と題し、お二人のキャストさんからお話を伺いました。ウォルトディズニーの夢を企業理念として、親と子が一緒に楽しめる場所をいかに作り上げているか。そこには実にきめ細かな配慮がなされていることを生徒たちも多く学んだようです。
そして、午後はパーク体験を行いました。普段ゲストとして楽しむ観点から、キャストとしての観点で見てみようというプログラムです。多様な職種のキャストさんの中から二人ほどインタビューをさせてもらい、仕事観や仕事をする上での心得ていることなど聞かせて頂きました。どのキャストさんも親切丁寧に対応して頂き、生徒たちもその使命感に感動していたようです。
以下に、生徒達からの研究レポートから選んだ振り返りを掲載いたします。文章からもこの研修からどれだけ多くの気付きを得られたか窺い知ることができます。この研修の成果を今後の学校生活に生かしてくれることを期待しております。
(4年生学年主任)
今回、このディズニー研修を終えて、私はキャストがどれだけ気遣いをしているのかが分かりました。
まず講演を聞いて、すごくびっくりしたことが、相手の目線に合わせることです。それを聞いた上で、改めてキャストを見ると、確かにどのキャストも目線を合わせてくれました。もうひとつ、びっくりしたことが言葉遣いです。相手の年齢に合わせて言葉を選んでしゃべることで、相手も遠慮しないでしゃべれることがわかりました。
「お年寄りの方に、トイレのことをレストルームと言っても何のことか分からないことが多い」など細かいところまで気を配ってしゃべっていることが分かりました。そして、パーク内に入った時、私たちは甘いおまんじゅうを探していたのですが、キャストさんに聞いたら無いといわれました。少し迷いながらウロウロしていたら、今聞いたキャストさんが「甘いものをお探しですか」と聞いてくださいました。私たちがはいと答えると、最新のチュロスをお勧めして下さいました。このように聞かれた後ただ答えるだけでなく、ゲストにとってプラスになることを教えるという細心の注意を払いながら働いていると考えると、すごく人のために尽くす仕事なんだと改めて実感しました。
(4年生 女子)
普段、ディズニーへ遊びに行くときは、「ゲスト」という観点でしか見ていなかったけれど今回の研修で「キャスト」からの観点で学ぶことができました。キャストさんはどのようにすればゲストを喜ばせられるか、おもてなしできるかについてはすごく勉強になりました。困っているゲストを見かけたら自ら進んで声をかけるというのは自分も仕事をしながら常に周りを気にしないといけない、とても大変で忙しいことだと思いました。実際パーク体験をしている時、場所が分からず班員全員でマップを広げて考えていると「何かおこまりですか?」とキャストの方が声をかけて下さいました。場所まで案内して下さった他、笑顔で迅速に対応できるのはなかなか出来ない事だと思い、そういう事ができるキャストさんがいるからディズニーへまた行こうというリピーターもいるのではないかと思いました。
自分も部活のイベントがたくさんあるので、今回学んだ事を活かし、「子供と目線の高さを合わせる」や、「笑顔で接する」という小さな事から実践し、やがて笑顔の絶えないイベントになれるように頑張ってゆきたいです。
(4年生 男子)
]]>初日、天候の心配がある中、バスで軽井沢に出発しました。軽井沢に近づくにつれ雲の切れ間から光が差してきました。「軽井沢野鳥の森」を訪れ、軽井沢で野生動物の保全活動などを行うNPO法人『ピッキオ』のガイドによるネイチャーウォッチングを行いました。肌寒い中でしたが、肉眼や持参した双眼鏡でムササビや様々な野鳥を見ることができました。
宿舎に着くと、まずは開会礼拝です。森林に囲まれ天井の高い雰囲気のある礼拝堂で落ち着いた気持ちで礼拝を守りました。この軽井沢での4日間を有意義に過ごせるようにと伊藤宗教主任より話されました。夕食は天城と同じで大皿から取り分ける形式です。周りと話し合いながら取り分け、片付けもスムーズに行い、2年目の成長を感じさせました。
夕食後は楽焼体験。3日目のキャンドルライトサービスで使用する為に、白い素焼きの皿に絵付けと色付けをします。事前に好きな聖句を選んでおり、個々に工夫して書き入れていました。デザインした皿はこの後釜で焼き上げてもらいます。
2日目。昨夜からの雨が止まず、午後からショートコースでオリエンテーリング。各班男女で問題を解きながら街歩きを楽しみました。地図を読むことをせず、前の班にただついていく班も多数。間違えるときはみんなで間違えてしまうという事態に、「自分で考えて行動しない、人任せである」という反省をしました。苦労はあったものの全員無事にゴールすることができました。最後はクラスの時間。新しいクラスになり、互いを深く知る貴重な時間になりました。
3日目の午前中は『ピッキオ』の方から、軽井沢に生息するツキノワグマについてお話しいただきました。人の安全を確保しつつ、ツキノワグマの駆除を減らす活動に力を入れているとのこと。熱のこもった説明と、毛皮や骨などの実物展示に生徒たちは引き込まれていました。午後は飯盒炊爨。今回の軽井沢は全体を通して天候が不順で寒さも厳しく、この日も午前中に「雹(ひょう)」が降る異常気象。一度はあきらめかけましたが、小雨でもやろうと判断。どうなることかと思いましたが、午後になって晴れ間が見えとても気持ちの良い天候になりました。飯盒炊爨は、事前学習が活きたのか、材料の準備や火のおこし方も順調で、どの班もおいしく出来上がりました。日頃の食事の有難さを知る良い機会に。
この日の夜はいよいよキャンドルサービス。まだ暗い礼拝堂の中で、自分の作った楽焼の皿の出来上がりにワクワクしながら着席しました。招詞の後に点火をすると、お皿の色がきれいに浮かび上がります。全員のロウソクに火が付くと礼拝堂が少しだけ明るくなりました。メッセージでは手塚先生が自分の体験をもとに「生きていく中で様々な選択肢があること。それをどのように受け入れて進んでいくか」というお話がありました。日頃より学年では「想像力を働かせて行動してほしい」と伝えており、色々な選択肢を想像し、自分の道を決めていくためにどうしたらいいのかと改めて考えることができたと思います。続いてトーンチャイムの奉唱。十名の生徒で練習し仕上げた『ラルゴ』の響きに全員が耳を傾けました。最後はディボーション(静思)の時。キャンドルの灯りを見つめ、静かに祈りの時を持ちました。
最終日は閉会式で各種表彰を行いました。讃美歌453番を奉唱しました。自身に満ち溢れた歌声に感動。4日間のまとめとなる素敵な歌声でした。「仲間と共に輝く自分」を学年目標に掲げている2年生。この軽井沢自然教室を終えて、「認め合い・高め合い・響き合い」ながら、仲間と共に成長することを実感できたのではないでしょうか。
保護者の皆様のご協力があり、このような素晴らしい体験ができましたことを心より感謝申し上げます。(2年生学年主任)
「軽井沢を終えて」
キャンドルライトサービスはトーンチャイムの音色も全員の炎の明るさも本当にきれいでした。聖書の言葉と向き合うことの大切さを感じ、もっとキリスト教と真摯に向き合っていきたいと思いました。全体を通して、人間関係の深まりが見られました。これからいろいろなことをこの学年でやり遂げることは可能と実感し、これからもこの学年全員と頑張りたいと思いました。(2年女子)
]]>
1学期終業式が行われた7月20日(金)、大阪北部地震と西日本豪雨の被害を受けられた方々の支援のために、生徒会と共に募金活動を行いました。手作りの募金箱で登校してくる生徒達に熱心に呼びかけたところ、たくさんの生徒や教員が協力して下さいました。
集まった支援募金は、受付終了次第(8月18日まで)「日本バプテスト同盟復興支援募金」に送付させて頂きます。
このたびの大阪北部地震や西日本における豪雨によって被害を受けた皆様には、心よりお見舞い申し上げるとともに、1日も早い復興をお祈りしています。
]]>1年生 天城オリエンテーション
青葉若葉の輝きに満ちた天城で、今年も2泊3日の1年生オリエンテーションが実施されました。プログラムを通して、5つの趣旨「関東学院の歴史とキリスト教を学ぶ」「基本的な生活習慣を身に着ける」「豊かな人間関係をつくる」「ものごとをやり遂げる姿勢を身につける」「自然を慈しむ心を育てる」について、充実したオリエンテーションとなるよう準備を重ねてまいりました。 初日、出発時は雨。整備班の生徒達は早くから集合し、雨の降る中で一生懸命荷物運びに徹しました。礼拝堂に集う生徒は皆元気。天候に負けぬ意気込みを感じました。途中、昼食場所の沼津で地元の食材を味わう頃には雨も上がり、今後のオリエンテーションを応援してくれるかのようでした。七滝めぐりは、雨上がりの泥濘を予想して小雨コースを選択。山歩きをするには程良い曇り空の下、水垂バス停から、生徒達は元気一杯に歩き始めました。 新緑に染まった山道を、クラス毎に会話を弾ませながらの散策。杉の大木を眺めたり、歓声を上げながら吊り橋を渡ったり、滝ごとの違った雰囲気や雄大さも満喫しました。雨上がりだったこともあり、どの滝も見事な水量に。迫力ある滝はどれも圧巻の景色でした。また、ブルーやグリーンに輝く水の輝きに、何度も深呼吸してみました。横浜では味わえない大自然を満喫した時間となりました。
夕食後は、黒畑校長から関東学院の歴史について貴重なお話を頂きました。スライドには、本校の源流についての貴重な写真が多く、生徒達は興味深く、メモをとりながら真剣に聴き入っていました。 2日目、清々しい快晴。朝の集いに集合する生徒達は、緑の芝生の上で元気一杯でした。美味しい朝食でエネルギーを蓄えた後は、浄蓮の滝を目指して出発。わさび田や柱状節理の観察、朝一番の眩しい陽射しを受けた滝を背景にクラス写真を撮影しました。山荘に帰ってからは、体育館でのレクリエーションヘ。大繩跳びでは、連続飛びするクラス、回す度に縄に引っ掛かってしまうクラスとそれぞれ。しかし、大きな掛け声を体育館中に響かせ、最後まで諦めずに一つの縄を跳ぼうとする姿や、思うように飛べないクラスを、他クラスの応援が飛び交う姿に、心が熱くなる思いがしました。最後に教員チームも大縄跳びにチャレンジ。息絶え絶えでしたが、それでも生徒達との一体感を感じる事ができたと思います。ドミノ製作では、クラスカラーに合わせたドミノが体育館一面に広げられました。ドミノ倒し・ドミノ積み、どちらも時間を延長してあげたいと感じる程、集中して取り組んでいました。最後のフォークダンスは、勝負を意識したプログラムとは異なり和やかな雰囲気でした。体育館にクラスを超えて2つの大きな輪がつくられ、互いに手を取り声を掛け合い、見る側の心を和ませるダンスでした。学年の生徒全員で、こんなふうにずっと手を取り合いながら、逞しく成長して欲しいと願う、そんな一場面でした。体育館での3つのプログラムからは、クラ スや学年の強い絆を感じることができました。
夕食後は、いよいよオリエンテーションのハイライト、キャンドルライトサービスです。生徒達による司会進行・聖歌隊賛美・奏楽・点火。厳かな雰囲気の中で聖歌隊の賛美は、温かさを感じる素晴らしいものでした。一人ひとりが灯した蠟燭の火と、生徒達の心が一つに結ばれたような一体感を感じました。それぞれが神様と向き合う大切な時間となり、心に残るキャンドルライトサービスとなりました。
そして最終日、天城で学んだことを振り返り、毎晩実施されていたクラスの時間の総まとめをして、閉会礼拝・表彰式が行われました。今回、学年全員が参加できたこと、大きな病気や怪我も無く無事終えられたことは何より嬉しいことでした。そして、生徒達は『思いやりの心』や『ひたむきな取り組み』を様々な形で見せました。出会って1か月とは思えぬ友人関係とクラスや学年の絆が築かれたと思います。入学して間もないガイダンス中から、表札作りに取り掛かったり、班ごとに仕事が与えられたりする中、慣れない授業と同時進行しながら、生徒達は一生懸命準備をしてきました。天城オリエンテーションは、生徒達の準備や取り組みによって、有意義なものとして実施できたのだと思います。オリエンテーションを通して感じたのは、生徒一人ひとりの穏やかさと優しさ。また、一つのことを互いに共有し楽しめる学年であるということです。今後も共に歩み成長できる125名であって欲しいと願っています。今回の取り組みを糧に、関東六浦で過ごす六年間で大きく成長して欲しいと願っています。最後になりますが、このような素晴らしい体験ができたのも、保護者の皆 様のご理解とご協力のおかげだと思っております。心より感謝申し上げます。 (1年生学年主任)
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大胆に変わることや180度転換するように変わることをパラダイム・シフトと言いますが、ウィキペディアによれば、厳密な定義がなく狭義的に「主流だった古い考え方に代わって新しい考え方が主流になることを指すこともあれとありました。パラダイムのもともとの意味の「規範」や「範例」が拡大解釈されて、考え方、常識、旧態依然とした考え方などの意味合いでも使われていると説明されていました。
1970年前後、日本の社会が高度経済成長期の中にいるころ、国民が一億総中流と自称した時代にははっきりとしたパラダイムがあったと言えるでしょう。経済成長と並行して教育産業も隆盛となり教育観の中にも支配的な考え方が形成され、教育観のパラダイムも定着しました。今なお支配的なように感じます。私は時折、進路を考える時の考え方を「進路方程式」と呼ぶのですが、今はこの進路方程式が進路選びの全てには当てはまらない時代になってきていることを真剣に考えるべきだと感じます。
将来の就職先、安泰の人生を夢見て学校を選ぶという進路方程式で歩み始めて順風満帆だったはずが、突然くるったという例を社会全体に見てきています。この10年での代表的な例は家電業界の環境の変化です。2010年代の激しい変遷は、進路方程式が必ずしも未来を保証するものではないことを語っています。では、何を以って考えたらいいのか。これが今はますます見えません。これまでの価値観や考え方を揺るがす変化が生活のいたるところに現れ、スタンダードが見えなくなり始めてさらに難しいのかもしれません。
ありきたりの話題になりますが、子どもたちの進路を考える上でしっかりと意識すべき三つのことについてあらためて触れたいと思います。
一つめは、AI(人工知能)とロボットの急速な発達です。生活の中への浸透とそのスピードです。パソコンが家庭に普及して20年、スマホが今の形で一般に普及し始めて約10年。この間に人員削減を加速するAIとロボットの実用化が進みました。最近の顕著な例の一つは、みずほ、三井住友、三菱東京の3つのメガバンクの動向です。今年度は一括新卒採用が合計でおよそ3200名でしたが、2019年度採用では3行合計で30%減というニュースが4月に流れました。3行の業務改善方針が社会に示すのは、AIがRPA(Robotic Process Automation)として働き手となり、バック・オフィスへの浸透が加速、拡大するということです。ICT、Io T、通信速度技術の発達で店舗やオフィスの形態が変わる、企業の業態も変るということがいよいよ現実になってきたということでしょう。
二つめは、少子化で国内の生産労働人口が減少し、予想もしない変化がおこるだろうということです。一つめのRPAの進行と考え合わせると労働人口が減少でも数字上ではつじつまが合う気がしますが、業種間での差やいびつな形で労働力不足が起こることがすでに予想されています。今、就職環境は、2017〜19年、20年?は就活の売り手市場が続くと言われています。これは1950年代生まれの大量退職が大きな誘因です。しかし、業種間で大きな差異があることは周知のとおりです。それ以後については、高齢者比率が高まれば消費も変わり、国内消費は次第に減衰するという見方が常識的と言われています(…ただし、純粋な外貨収入となる観光の増加分は別ですが)。日本経済は生産性の乏しい構造へ進むと予想され、企業活動の国内での縮小から、今の全ての職種で雇用の活況が続くとは言い難いでしょう。さらに誤解を恐れずに敢えて言えば、大学卒の選択にはない職業の選択も大学卒者に起こるかもしれません。AIやロボットによる代替でも間に合わない人手不足の実相が色々とあらわになる気もします。
三つめは、二つめと大いに関係があることです。日本国内のグローバル化です。子どもたちにとってのグローバル化とは、近未来の国内就職環境の国際化する競争とその二次的影響でしょう。この10年間、日本企業がアジア圏での活動拠点を増やせば増やすほど、日本への留学生が増えています。単年度での数値では2017年度は海外から27万人の留学生がいます。卒業後、国内に残留して日本の企業に正式に就職する学生は年々増えています。2016年度で1万6千人。しかし、この数は希望者の30%にすぎず、2016年の経済財政諮問会議は「日本再興戦略2016」として、それを50%まで引き上げると宣言しました。文科省はこれを受けて各大学に対し、留学生への積極的な就職支援を求めています。外国人労働者に関するニュースでは「実習生」の制度が話題になっていますがそれ以前の国内のホワイトカラーの就職環境にじわじわと進むグローバル化にもっと注視すべきでしょう。
また、海外からの観光客も年間3千万人を超える時代となり、観光関連産業でのグローバル人材の登用はもっと進むでしょう。前職である時、生徒から進路相談を受けた際に、「特に観光関連と言うのなら、日本の国内の大学の観光学科で学ぶよりは、マレーシアや台湾などの大学で観光学を学んでみるとか。そういう分析と勇気があなたの未来には必要ではないですか?」と答えました。「未来に対して必要な分析と勇気」がポイントです。第 115号 校 報 ( 2 )
近未来に起こる変化を想像すれば、進路を考えるときには、個々の夢やそのための道の内容、そして適性を考えることを最優先にすべきです。そして従来の進路方程式を個別に、冷静に見直すべきです。進路方程式は一律には当てはまらないということです。もし、夢や希望がまだ見えないのなら、少なくとも考えるための進路方程式での進路を探すべきです。そういう意味で、教育観でこそ生徒の個を見つめる方へのパラダイム・シフトが必要と感じます。しかし、進学を考えるとなると慣れ親しんできた進路方程式は簡単には捨てられません。また、目的が明確で進路方程式をしっかりと当てはめての考察もあるでしょう。
しかし一方で、日本の企業が大いに貢献しているアジア諸国の成長と、経済交流活動を支える人材の育成の実態を知ると、日本とは大きく違う学校教育のグローバル・スタンダード化が大きな脅威に感じます。過去の進路方程式の単純な適用は見直す必要があります。特に、文系を志望する子どもたちに対して伝えたいことです。自分の夢や希望を見つめ何をどうやって身につけていくべきか、あるいはどうやって夢を探すかを考えてほしい。学問領域的にも人生時間的にも、広く、遠くを見つめ、眺めてほしい。そして、誰もが最低限として、少しでも高い英語力の習得を必須にしてほしいと思います。
10年後、「グローバル化」という言葉は死語になっているかもしれません。コミュニケーション能力を持ち、主体的に行動する力や個として決断する力が求められる時代が来ます。未来は主体性と協調する心、それらを発揮する力が同時に求められる時代でしょう。未来社会は、今持っている感覚から切り離して思い描かなければなりません。それは、今はまだ生徒である子どもたちの10、20年後を考えるための新しい進路方程式は、子どもたちにとっては、その先の長い自分の人生を考える進路方程式に繋がるからです。
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朝、登校する生徒たちと挨拶をします。夕方、法人本部から学校へ戻る途中、すれ違う生徒たちと挨拶をします。皆、屈託のない笑顔を見せてくれます。40年以上も昔となった自分の中高時代を懐かしく思い出します。笑顔…。
社会は、その時代とは比べ物にならないくらいまで複雑になりました。笑顔を見るたびに感じるのは、愛すべき
一つ一つの命の輝きです。難しくなった時代をしっかりと歩んでほしい。今朝もその笑顔に熱く思いました。
「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」
(マルコによる福音書12章30節〜31節)
前任校で、卒業式の当日に卒業アルバムに聖書の言葉を書いてほしいと言われて、どれにしようかと悩みました。それは、今後この生徒が成長し、「次に卒業アルバムを見るのはどのようなときだろう?」とか、「このページまでたどり着くのは元気なときだろうか、それとも…」と考え始めてしまったからです。しかし最後には、ある一つの視点に立って決定し、友人やほかの先生方からの言葉が記されているページの中で、できるだけ目立つように記しました。それが今年の年度聖句です。
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この聖句ではまず人間のすべてを尽くして神を愛することが求められています。つまり、何かのついでに神を信じるとか、自分の都合に合わせて神を利用するとか、自分中心に神を理解しようとすることを拒んでいます。徹底的に神を求めることで、人間の在り方が理解できるようになります。神を愛することで、神に愛されている価値ある存在として神に向かい合うことになります。
次に、隣人を自分のように愛することが求められていますが、隣人を愛する前提として、「自分を愛する」ことがあります。それは自分に溺れるようなナルシズムではありません。自己を絶対化するのではなく、神との関係の中で見えてきた「自分」を受けとめ、肯定するということです。完全な神に向かい合って見える自分の姿は、弱く、自己中心的な存在でありながら、その弱さを引き受けてくださる神と共に生きることを望まれているものです。
こうして神とのあるべき関係に生きるものは、自らに示された神の「愛」に倣って隣人を愛し、弱さを受け入れ合い、共に生きることを願うようになるのです。
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中学は新学習指導要領が実施されるための移行期間に入りました。大学入試の改革など、教育が直面する課題は複雑かつ多様化しています。時代の流れを読む力をもたなければ、目指すべき目標を見失う恐れを感じます。しかし、大きく変わる時代の中にあっても、建学の精神であるキリスト教に基づく教育の実践はかわりません。校訓に示される人間像を追い求める教育を行うことが本校の教育の根底にあります。神がこの世界を愛するがゆえに、この世界に仕えられたことを心に留め、隣人との関係を「愛」によって作り上げる生き方を求める人間の育成を目指す教育です。たとえ危機的状況におかれたとしても、他者を押しのけて自己実現を追求するとか、勝ち抜くようにして生きる人間ではなく、隣人と世界に仕える人間の育成です。そしてこの「真理」に従わなければ、人間は本当の自分を生きることができないことも忘れてはなりません。
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毎年選ぶ年度聖句は、すべてに共通した願いがその背後にあります。それは、キリスト教学校に入学した本校の生徒が、卒業までに出会い、できれば心のどこかに引っ掛かっていて、必要なときに思い出して励まされる言葉となってほしいという想いです。これだけあれば生きていける、という力を持つ言葉として心の片隅に残ってほしいという祈りです。
今年度の聖句は、キリスト教とは何か、聖書に何が書いてあるかを示している言葉です。卒業アルバムに記す言葉として選んだ理由はここにあります。
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1年生はLHRの時間を使って「携帯電話の取り扱いについて」の講座をして頂きました。近年ではSNS関係を始めとする携帯電話の使用に関するトラブルがたくさん起きています。本校でも、1年生の早い段階からしっかりとした考え方、正しい知識や意識を身に付けてもらい、トラブルが起きるのを防ぐ目的で今回の講座を行いました。生徒たちには携帯電話を持参して講演に参加してもらいましたが、8〜9割の生徒がスマートフォンを持っていることに驚きました。
様々な事例をもとに携帯電話の取り扱いの危険性を教えて頂きます。位置情報サービスなどの設定でトラブルを未然に防ぐ可能性が上がることを教えて頂いたりとても有意義な時間となりました。
最後に生徒たちは携帯電話に使用の「自分ルール」をつくってもらい、これからの生活の中で意識してもらうようにしました。携帯電話の使用だけでなく、様々な場面で『相手を思いやる気持ち』の大切さに気付かされた時間となったようです。
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