『校報』第114号(ブログ版・その4) 京都・奈良研修

京都・奈良研修

 

 

 「そうだ京都、行こう」
 テレビや駅で見かけるこのJR東海のキャッチコピー、知らない人はいないのではないでしょうか。「私のお気に入り」という曲と共に映し出される京都の美しい名所は、見ているだけで旅行気分にさせてくれます。平安京遷都から1200年にあたる1994年に記念事業の宣伝として作られたCMですが、放送開始から20年近く経ってもその言葉の新鮮さは失われていません。「そうだ京都、行こう」という言葉には、思い立ったら京都は結構近い場所にあるという意味が込められているそうです。
 2017年度より「京都・奈良研修」が大きくその姿を変えることとなりました。3年生で行われていた全員参加型研修から希望者参加型の個人研修となったのです。その目的は、間近にせまる学校教育改革に伴い新しい学力観、アクティブラーニングを主体とした学びの質が変わりますが、その一つ「学びに向かう力(主体性)」を育むプログラムとするために生徒主体での研修とするものです。何よりも大きな変更は研修プログラムにあります。研修目的、旅の行程、見学場所全てを生徒自身で決めてゆきます。参加する生徒全員の中で話し合いを行い、まずは拠点となる宿泊場所を決定し、グループで行動する方が良いと考える場所と時間を決め、それに合わせて各自がスケジュールを立ててゆくのです。今年度は3年生11名が参加してくれましたが、暑さ厳しい8月のうちから計画を立て、出発までの4カ月8回にわたり事前計画を行いました。宿泊場所は全て京都とし、奈良へは日帰りで、期間中には、体験学習や説法体験を入れることにしました。そして12月の下旬、寒さが本格的になってきた年末いよいよ出発です。


12月22日(金)晴れ
 2学期終業式を迎えた翌日の朝、新横浜に期待と不安を胸に生徒たちは集合しました。京都までは2時間30分、あっという間の到着です。まずは荷物を預けるため宿泊場所に向かいました。今回お世話になった旅館は「さと茂旅館」。京都駅の目の前に位置し、京都タワーのすぐ隣ともあって絶好の拠点になってくれそうです。そして早速行動開始。1人で行動するもの、グループで行動するもの、自分たちの計画に従って見学地に散っていきます。しかし、予想していた以上に京都は広いと感じたことでしょう。なかなか予定通りに見学することはできなかったようです。広い京都にたった11人です。巡回する教員もスケジュール通りに行かない生徒たちを見つけることはほぼ不可能。生徒たちに任せるしかありませんでした。


12月23日(土)晴れ
 事前計画での話し合いの中で、この日は体験学習を含む研修日と決めました。彼等が選んだ体験は「念珠作り」と「和菓子作り」。念珠とは腕に付ける数珠で、自分で選んだカラフルな石を繋げて数珠を作って行きます。家族に上げるつもりで作っていたにもかかわらず、出来生えの良さに自分のものにしようとした生徒もいたようです。そして、「和菓子作り体験」では、練りきりの手法で本格的な和菓子作りに挑戦しました。職人さんの作業を見様見真似で作った和菓子は、形こそいびつでしたが、味は本物でした。その後、各自のスケジュールに従って行動しましたが、昨日の反省を活かし、交通機関を駆使して見学していたようです。冬の京都は修学旅行の学生が少なく見学しやすいのですが、その代りに外国人観光客の多さに驚きました。


12月24日(日)晴れ
 この日はクリスマスイブです。さすがの古都もクリスマスで大賑わいでした。あちらこちらでサンタクロースが歩き周り、繁華街はイルミネーションで彩られていました。この日は奈良見学に行くグループと京都グループとに別れて行動しました。奈良公園の鹿と戯れることを期待していた生徒も多く、今回の研修目的の一つが叶ったようです。電車を乗り継ぎ法隆寺や薬師寺まで足を延ばした生徒もいました。

 そして夜のこと、ある生徒が思いついて自主的にクリスマスケーキを皆のために買ってきてくれました。そこで、急遽ささやかなパーティーを行いました。ツリーや電飾は無いものの、ここまで一緒に取り組んできた仲間たちと過ごしたクリスマスは、特別だったのではないでしょうか。


12月25日(月)雨後曇り
 クリスマスの日。そして研修も最終日です。この日は事前計画通り全員で行動することにし、嵐山散策を中心とした研修を行いました。天龍寺では特別に法堂の拝観が許され、八方睨みの雲竜図に睨まれながら、お坊様による説法を聞くことができました。毎日学校に行けて、食事が出てきて、布団で寝られて、好きなことができることは当たり前なことではない、「無常」の教えは生徒の心に強く響いたのではないでしょうか。そして3泊4日に渡った実地研修もいよいよ終わりです。4日間歩きに歩いた疲れと、全ての行程を終えることができた充実感と、カバンいっぱいのお土産を持って家路に着きました。

 

 しかし、今回の研修はこれで終わりではありません。この後、自分たちが調べたことを発表しなければなりません。以下は2月19日(月)に行われた発表会の研究テーマ題目です。
 「京都の寺について」
 「建造物と町の作り」
 「 小説『青い月の夜、もう一度彼女に恋をする』の舞台を訪ねて」
 「建造物と人々」
 「京都・奈良について」
 「京都の魅力」
 「京都の世界遺産」
 「京都のキリスト教の歴史」
 「古くからの建物の歴史を知る」
 「神社と寺の違いについて」
 「旅行したい場所第1位だった京都の人気はなぜ落ちたのか」
 生徒たちの発表には、行った者だけが分かる実感と感動が伴っており、笑いと新しい発見に満ちていました。この研修発表こそが、本校の新しい「学び」の正しさを証明してくれたことを強く感じさせるものでした。

 

 「そうだ京都、行こう」
 全ての学びの原点は、自分の内から沸き起こる興味・関心を持つ純粋さとそこに向ける情熱だと考えます。「そうだ」と言う言葉から何かに気づき、「行こう」という言葉から行ってみよう、やってみようという主体的な姿勢を問うものです。CMを見る人の学びに向かう姿勢を刺激するからこそ、いつまでも響くキャッチフレーズなのではないでしょうか。そして最近このキャッチコピーがリニューアルされました。
 「そうだ京都は、今だ」
 3年生以上なら誰でも何度でも参加できる行事ですから、ぜひ来年度は多くの生徒に参加して欲しいと願っております。
 最後に、この研修に協力してくださいました京都・奈良の寺社、並びに関係施設の方々、またご賛同頂きました多くの保護者の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

(引率教員)

 



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