3学期始業式 校長メッセージ

短い冬休みが終わり、昨日から3学期がスタートしました。

1年間の学校生活の締めくくり。そして、次の1年間への準備期間。勉強、クラブ活動、学校行事…生徒一人ひとりが充実した学校生活を送ってくれることを願います。

本ブログでは、始業式における校長からのメッセージを紹介します。

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今日は三学期のスタートの日です。三学期と言えば、言うまでもなく一年間の最後の学期です。どの人にとっても、この三学期をどう過ごすかが、今の自分の、今の学年での結果、成果、形になります。そして、それはただ単にこの一年間の結果、成果、形として終わるのではなく、このあとの学年のスタートの資源、力、6年生なら人生の次のステージの力になります。

と、言えば、これはよく聞くような普通の話で陳腐でしょう。しかし、このありきたりのような話も、ありきたりで終わらせない人の話を紹介します。私の尊敬する人の一人です。普通は尊敬する人というと、過去の人とか亡くなった人、人生の先輩とか、歴史上の人物とかになると思いますが、私はこの人を、2010年の時に意識しました。スポーツ選手で、2010年の1月、ロシアのプレミアムリーグのCSKA(ツェーエスカー)モスクワに4年契約、契約金約12億円で移籍したとの大きなニュースになっていたからです。日本のスポーツ選手が世界で活躍する姿が増えてきていましたが、それを一層目立たせる一人と思い注目したのです。その人のニュースから紹介します。

インターネットのサンケイスポーツ - 2015年12月26日の記事から紹介します。記事の見出しは、「本田サンタが子どもたちに金言『夢を諦めるな』」でした。本田サンタとは、言うまでもなく現在イタリアのセリエA・ACミラン所属の本田圭祐選手です。現在29歳。

内容は、日本代表選手でもある本田圭佑(29歳)さんが昨年の12月25日に、本田さん自身がプロデュースした千葉・幕張の「ZOZOPARK」でサッカー教室を開いて、参加した子供たちに三つのメッセージを送ったというものでした。

記事では、「夢を諦めるな」のメッセージは、そのまま本田圭佑さん自身に当てはまるものと紹介しています。2015年、セリエA・ACミラン内での定位置確保に苦しんだ本田さん自信が自分自身の一年を反省して、新たな年への誓いを立てたとまとめてありました。

2015年、本田圭佑選手は8月からの新シーズンで、リーグ戦17試合中先発で出場したのは3分の1もない5試合のみ。12試合で先発落ちしています。これまでにない処遇だったのです。本田さんは、「これだけベンチに座ったことがない。けががなかったのが唯一の結果であり、非常に厳しい結果」と述べ、自分の課題として、「まずはピッチに立ち続けることが近未来の目標。できると信じている。90分間必要とされる時期がくることを信じて準備していく。」と述べたと記事にあります。

記事では、その本田選手が自分への決意と想いを抱きながら、子どもたちに語ったとまとめてあります。本田圭佑さんは「自分自身がまだまだ未熟。子供たちに投げかけると同時に自問自答するもの」と言ったとありました。子どもたちには、次の言葉を語ったと書いてありました。

 …サッカー教室の終盤。澄み切った冬の青空に、本田の声が響き渡った。
 「何でもいい。大きな夢を持ってください」
 「その夢を毎日意識して、考えて生活してください」
 「決して諦めない。ミスが出ても諦めないことが大事」


実は、本田圭佑さんの言葉には深い背景があります。それを知ると言葉の意味がとてもよく分かります。大ケガからの奇跡的な復活です。サッカーに興味のある人なら知っている人もは多いと思いますが、簡単にそれを説明します。
本田選手は、星稜高校を卒業すると名古屋のグランパスエイトに所属します。グランパスエイトで2005年から2007年、その後オランダのチームで2008年から2009年まで2年間、その後、2010年の1月、ロシアのプレミアムリーグのCSKA(ツェーエスカー)モスクワに4年間の2013年までの契約を結びました。先ほど述べた約12億円での移籍。凄い金額で大きなニュースになりました。私はサッカーにそれほどの関心がなく、ロシアのリーグのことは全く知りませんでしたが、そのロシアのチームが12億円というのはそれだけ印象に強いものでした。でも実際、ロシアのサッカーはあまり注目もされていません。

そのCSKAモスクワには世界から優秀な選手が集まっています。しかし、チームワーク、チームプレーという点でなかなか問題の多いチームでした。一人一人がロシア以外のビッグチームへの移籍を意識して、如何にチームの中で突出するかが大きな関心で、まとまりのないプレーが特色のチームでした。

本田圭佑さんは、そのチームをチームとして戦うチームにする努力をしていきます。その努力が試合のピッチの中でも見えるわけです。地元からの高い評価をもらいます。しかし、2011年の8月、試合中に右膝半月板を損傷します。スペインで手術を受け、全治3カ月と発表され、選手生命の終わりかとも話題になりました。膝の半月板摘出手術という大ケガをしたわけです。そのことを本田圭佑さんは、後に振り返って語っています。

2013年3月25日放送のNHKの番組、「プロフェッショナル 仕事の流儀スペシャル 更なる進化へ 本田圭佑・500日の記録」で、それらのことを本人の声で聴けます。次のように語っています。インタビューに対して「ケガしたことは残念ですけど、もう、しょうがないですし。ケガして思ったのは、僕、チャンスやなと。これはチャンスやな、と思ってるんですけどね。」「ケガは神様がくれたチャンス。」

本田圭佑選手の言う神様とは、キリスト教の神様なのか、あるいは、本当に神様を意識しているのかどうかはかりませんが、少なくとも、ケガを含めて、本田圭祐さん自身の人生の境遇、定め、運命を自分に与えられた人生として、ポジティブに受け止めているということです。ケガをしてしまっているという「見える」状況の中で、見えることを通して普通に考える方法では受け止めない、まだ「見えない」ことをポジティブに信じるわけです。

本田圭佑さんは、手術後のリハビリで瞬発力の強化に努力します。瞬発力の強化は成功しました。プレーが変わったと言われました。その力を日本代表として、2012年6月のワールドカップ・アジア最終予選で遺憾なく発揮します。重要な3連戦で4ゴールを上げました。ワールドカップ・ブラジル大会に向けて日本代表の勢いを牽引しました。

さて、ケガから回復して再びチームのまとまりづくりに活躍します。再び苦労をします。本田圭佑選手は回想しています。「皆、自分がシュートし、得点を上げる事しか考えていないし、チーム練習に集中するという当たり前の事が出来ないという酷い有様でした。」と振り返っています。

本田圭佑さんは、「人(チームの仲間)を生かして自分も生かす」と言い、試合では、自らがチームの仲間をアシストしてシュートを決めさせる。そしてチームプレーとして勝利を引き出す。立派な指令塔として成長していくわけです。チームをチームとしてチーム力をつけていく、まとまりをつくっていく苦労を本田選手がこう語っています。「神様がいらん障壁ばっかり立ててますけど、望むところですよね。この壁だって、神様に感謝しないと。この状況を与えてくれてありがとうって。」

また、「思ったようにことが運ばない。それもまた人生。いかなるときも前向きにね。上手くいかないときほど前向きですよね。大事なのは自分が成長することやから。」とも言います。

神様を意識しているかどうかどうかは、本来的なところはわかりませんが、未来の見えないこと、見えないけれども可能性が与えられていることを「信じる」という気持ちがなければ前向きにはなれません。

そして、その苦労から得ることをこんな風にも言っています。

「自分が本当に幸せになる時って、人間どんなタイミングかなって考えた時、自分が喜んでいる時じゃなくて、人を喜ばせることができた時に、ほんまに自分が幸せな感情になるんかなぁ、と」

CSKA(ツェーエスカー)モスクワの監督レオニード・スルツキーは、当時、本田圭祐選手について、「本田は最高のテクニックを備えた選手だ。ビッグクラブでも十分にやっていけるだけの強い精神力も持っている。高精度のラストパスに強烈なシュートと、近代サッカーの司令塔に求められる資質をすべて兼ね備えた選手だ。」と賛辞を送っています。

本田選手は、右膝半月板のケガの最中に、関西大学で講演会に呼ばれています。ケガの体験談を熱く語ったことも有名です。

「物事は、ポジティブの角度から見れば、辛いこともチャンスとなる。その考える技術を身に付けて高めてください。そうすれば、どんな困難が起きたとしても対応できます。」

さあ、三学期です。それぞれが自分固有の課題を抱えているでしょうが、本田圭佑さんの小学生に向けて語った言葉を皆さんにあらためて紹介したいと思います。

一つ、「何でもいい。大きな夢を持ってください」
二つ、「その夢を毎日意識して、考えて生活してください」
三つ、「決して諦めない。ミスが出ても諦めないことが大事」



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