公演『決断 命のビザ』水澤心吾さん一人芝居

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2月20日(金)、本校礼拝堂において水澤心吾(みさわしんご)さんの一人芝居の公演を実施しました。
公演名は「水澤心吾・一人芝居『決断 命のビザ』“SEMPO”杉原千畝物語」です。
この日は中学生合唱コンクールということもあり、午後の特別授業として高校生が鑑賞をしました。
本ブログでは、この公演についてご紹介します。
なお、本記事の写真は水澤さんに許可を得て、リハーサル中の舞台を撮影させていただいたものです。

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はじめに水澤心吾さんについてご紹介させていただきます。
一人芝居をなさった水澤心吾さんのオフィシャルウェブサイトはコチラからご覧いただけます。
そして上記ウェブサイトから水澤さんのプロフィールを以下に転載させていただきます。

 1969年、19歳で上京。
 1974年「劇団俳小」に入団し舞台に立つ。
 1977年「天守物語」(日生劇場)の坂東玉三郎の相手役にオーディションで選ばれ、本格的に俳優の道を進む。
 以後、テレビ・ドラマ、映画、舞台を中心に活躍中。
 また、かたわら10年間ビジョン心理学、哲学を学ぶ。
 ハワイでビジョン心理学の創始者チャック・スベノーザ博士のトレイナーズ・コースを終了。
 10年間学んだニューヨーク・アクターズ・スタジオ演技メソッドと心理学を融合させた、
 独自のヒーリング心理学と演技メソッドを確立。
 現在、セラピストとして各地で心理トレーナーとしても活躍。(1990年三沢慎吾より改名)

次に、水澤さんが演じた「杉原千畝(すぎはらちうね)」ついて説明いたします。
杉原千畝は実在の人物で、第二次世界大戦中、リトアニアで外交官をしていました。
杉原はそこでナチス・ドイツの迫害を逃れてきたユダヤ人6000人にビザを発給することで命を救いました。
その行為は、世界中で称賛され、海外では、「東洋のシンドラー」「日本のシンドラー」と言われています。
サブタイトルの「SEMPO」とは、「ちうね」が発音しにくいため、杉原自身がそのように呼ばせていた名前です。

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ここでストーリーの一部を紹介します。
舞台は第二次世界大戦のまっただ中。
ナチス・ドイツから残虐な迫害を受けていたユダヤ人はリトアニアにまで逃れてきました。
ナチスもまた、そこに迫る勢いでした。
しかしそこから先は、トランジットビザ(通過査証、通過ビザ)なしに逃れる術はありませんでした。
ユダヤ人は、リトアニアの日本領事館にビザの発給を求めました。
そしてその時、領事館に駐在していた外交官が杉原千畝でした。
多くのユダヤ人に領事館を取り囲まれ、杉原は決断を迫られました。
ナチスの迫害から逃れさせるため、ユダヤ人たちにビザを発給するのか?
それとも外務省の命令にしたがい、発給しないままでいるのか?
ビザを発給してユダヤ人の命を救うこともできるが、それは外務省の命令に反する行為となる。
しかし外務省の命令にしたがえば、目の前の多くのユダヤ人を見殺しにすることになってしまう…。
人道か命令順守か?
杉原は苦悩します。
葛藤の末、杉原は一つの決断をします。
外務省の命令に反し、ユダヤ人にビザを発給することを決意しました。
ビザを発給することで、ユダヤ人の命を救うことを決断をするのです。
しかしすでに外務省からは領事館の閉鎖と退去が命じられていました。
時間は限られています。
杉原は一人でも多くのユダヤ人の命を救うため、時間のある限りビザを発給し続けました。
その数は6000です。
杉原はユダヤ人6000名もの命を救ったのです。

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水澤さんは、20代から30代にかけて、テレビ・映画・舞台で俳優として活躍してきました。
しかし、41歳のときにご自身の演技に失望し、その後12年間、役者を離れました。
その後、心理学を学ぶために渡米し、日本とアメリカの間を行き来し、自分を見つめ続けたそうです。
舞台への復帰は54歳のときです。
心理学は、ご自身の演技力を高め、オーストラリアの国営放送のドラマでも高い評価を得ました。
またハリウッドで日本映画を作れないかとも考えるようになりました。
そんな時、テレビ番組で観た杉原千畝のことを思い出したそうです。
6000人のビザを発給してユダヤ人を救った杉原に興味を持ち、一人芝居を始めました。
やがて、杉原がロシア正教の信者で、彼の命がけの行為が無条件の愛からだったことも知りました。
水澤さんは、聖書を読み始め、2011年にイエス・キリストを救い主と信じ、洗礼を受けました。
水澤心吾さんと杉原千畝との出会いは、キリストとの出会いでもあったのです。
以下、水澤心吾さんのウェブサイトから、杉原千畝について書かれたものを引用いたします。

―――――――(引用はじめ)――――――

杉原千畝は、私たち日本人が、世界に誇ることの出来る人道的行為を行った人物です。
けれど、彼に全く迷いがなかったわけではありません。
自分はもちろん、妻や子の命の安全が脅かされるかもしれない。
そのような状況の中で、悩みぬいた末、決断したのです。
一人の人間の「決断」で、六千人もの命が救われたのです。
政治や軍隊ではなく、たった一人の人間の決断こそが、世界を変えるのです!
人間はとにかく、自分を小さく過小評価しがちですが、
一人ひとりの自分の成しうることの大きさを、全ての人にその可能性のあることを、
是非、この舞台から「決断」する”勇気”を受け取っていただければと願っております。

―――――――(引用おわり)――――――

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一人芝居は本当に素晴らしいものでした。
演技は真に迫っており、杉原の苦悩や葛藤、喜びと悲しみを演じきっていらっしゃいました。
観る者は、実際の杉浦千畝を見ているかのような錯覚を感じるほどでした。
水澤さんは、時代背景はもちろん、人間が苦悩する姿を見事に、そしてたった一人きりで演じました。
心から引き込まれる本当に素晴らしいお芝居でした。
そしてこのお芝居にはとても重要なメッセージがあります。
それは「政治や軍隊ではなく、たった一人の人間の決断こそが、世界を変える」ということです。
芝居を観た後、私たちは杉原の「決断」の重さに圧倒されます。
それと同時に、私たちは私たち自身の「決断」について考えを深めさせられます。
私たちはこれまでに、どのような「決断」をしてきたのか。
またこれからどのような「決断」をしていくのか。
今回の公演は、水澤さんの素晴らしいお芝居、杉原の命を救う愛の行為とともに、
私たち自身が「決断」することの意味を強く印象づける機会となりました。

本ブログを閉じるにあたり、公演をしていただいた水澤心吾さん、またスタッフの皆さんに御礼申し上げます。
ありがとうございました。



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