『校報』第111号(ブログ版・その10) 図書館の窓から その7

図書館の窓から その7

 

 

 生徒の皆さんは今年度何冊の本を読んだでしょうか。その中には普段手にとらない本もあったのではないかと思います。友達や先生、また授業をきっかけに新たな世界の扉を開くことができたら幸せですね。図書館には未知の世界への扉がたくさんあります。1冊でも多くの本を読むことが皆さんの心を豊かにし、たくましくするはずです。 (図書館長 原 夏絵)

 

 

図書館と教科授業のつながり

 

 図書館には展示スペースが9つあります。1〜2年前まではこの半分ほどのスペースしかありませんでしたが、校内の廃棄机を活用し、設置しました。理由は、館内展示が生徒の読書活動を促進するためです。本校には3万8千冊ほどの本が所蔵されておりますが、その中から読みたい本を見つけ出したり、自分に合った本を見つけ出すのは簡単なことではありません。また普段読まないような本と出会う機会も読書体験を充実させる大事なきっかけとなります。そのため、展示で本を面出ししたり、何かと関連付けて来館者の目に留まるようにしたりすることで、より豊富な読書機会を提供できると思うのです。本校図書館には、授業の関連本を並べた展示があります。その中で、最近授業とタイアップした展示をご紹介します。
 ある高校生の古典の授業と図書館がタイアップしました。古典の担当教員より授業で生徒に紹介した本のリストをもらい、図書館でその本の展示を始めたのがきっかけです。源氏物語や平家物語、伊勢物語などの古典関連本を手軽に持ち運べる文庫サイズのものから写真が豊富な大型本サイズのものまで並べました。リストに記載されている本以外も並べています。古典の本特有なのか、色鮮やかな本が集まり展示全体が華やかになりました。華やかな展示が目に留まりやすいのもあって、この授業を受講していない生徒も借りることが多々あり、他の生徒の読書活動にも影響を与えたと感じております。
 その後、展示に教員のメッセージ付きの「古典文学読書記録シート」が設置され、これらの本を読み、シートにあらすじや感想を書いて提出するようなシステムができました。まさに教科授業と図書館のタイアップです。普段あまり図書館を利用しない生徒も、この機会に足を運ぶようになります。

 

 

図書委員会活動と教科授業のつながり

 

 生徒図書委員会は近年、文化祭で「影絵紙芝居」を上演しています。一昨年度からはストーリーや絵、BGM編集も委員がオリジナルで作っています。ナレーターや登場人物の声も生徒が担っています。今年度は2作品上演しました。「まほうの赤いハイヒール」と「蛍の恋」です。昨年度と異なる点は、2作品上演ということと、影絵作品にあらゆる技法を加えたことです。さらに魅力の一つは、古典の世界を表現したことにあります。実は「蛍の恋」は、先ほどの古典の授業からヒントを得てつくられた作品だったのです。ストーリー担当だったある生徒は授業で扱われた切ない伊勢物語の中のお話に感動し、影絵紙芝居の題材としました。ポイントだけおさえて、あとは不自然にならないようオリジナルストーリーを仕上げていきました。影絵と古典の世界は非常に相性が良く上品な作品となりました。
 文化祭後の古典の授業では「蛍の恋」を、文化祭上演時に録音した音声と、スライドで受講生徒に見せる機会がありました。たった10分間の短いお話ですが、何ともいえないその切なさや委員の演出(BGM・声優)に、皆が惹き込まれていった瞬間がわかりました。
 授業と図書館が連携すると、生徒の学びがより一層深くなることがあります。それは「学校図書館」という場所が、本来、学校での「学びの中心」として存在するからです。本校の図書館が、生徒の自主的な学びや学びたいと思う気持ちに対してサポートできる場所であるよう努めていきたいと思います。(司書教諭 九渡 愛美)


『校報』第111号(ブログ版・その9) 総合学習 地球市民講座

総合学習 地球市民講座

 

 

 2年生、3年生の後期地球市民講座の様子をご紹介します。

 

プレゼンテーション大会

 

 2年生は、次のようなことを実施しました。
  テーマ:海外の中高生に、日本での研修旅行プランをたてよう!
  主旨:海外の文化を学ぶとともに、日本の良さや異文化社会について考える。

     また、文化が異なる相手国の中高生の立場になってプランを考える。
  内容:フィリピン・南アフリカ・ペルー・カンボジア・カナダから班ごとに国を選ぶ。

     その国の中高生の日本での研修旅行をプランニングする。

     プランをたてる前に、相手国の基本情報や中高生事情、

     日本に対するイメージなどを調べたりインタビューをしたりして学ぶ。

     また日本国内の研修場所について調べ、1週間のプランをたてる。

     旅行パンフレットを作成し、パワーポイントにて国別発表、学年発表をする。
  表現:活動班で1つの研修旅行パンフレットを作成する。
 2月17日(金)6・7限に今年度地球市民講座最後の授業が行われました。各国から選出された代表班計10班によるプレゼンテーション大会です。当日は審査員の評価をもとに上位3班を決定しました。審査員は、この研修旅行プラン企画の学習でお世話になった方々です。貿易ゲームを通して世界の縮図を疑似体験させて頂いた「未来をつかむスタディーズ(団体)」の代表の方や、プランの立て方を教えて下さったJTBの研修旅行ご担当の方、国の情報を本校に来校して教えて下さったフィリピン、南アフリカ、カンボジアの方、カナダのショーン先生、そして学年主任も審査をしました。
 審査員の方々がいらっしゃるなか、大変緊張したと思いますが、司会の生徒もプレゼンをする生徒も堂々と話すことができました。集計後に結果発表がされ、上位3班は審査員の方と握手をしました。ランクインした班に共通することは、研修対象者のことが常に考えられたプランであったこと、プレゼンの仕方・パンフレットの丁寧さ・デザインが良かったことです。

 

 

論文発表会


 3年生の後期は論文のテーマを決める前に、宗教についての調べ学習を行って知識を深めました。
  テーマ:宗教について論文を書こう!
  主旨:世界の宗教についての学びを深め自分の疑問を解決する。また、資料の見つけ方や文章の書き方などを身につける。
  内容:8つのゼミに分かれ、ゼミの中で宗教の基本情報・しきたり・礼拝・行事や儀式・物質的要素の5グループに分かれる。

     その観点についてキリスト教・ユダヤ教・イスラム教・ヒンドゥー教・仏教・神道の情報を調べてまとめ、

     ゼミの仲間に発表し共有する。その後論文のテーマを決め、論文作成に入る。

     途中、司書教諭から論文の書き方や資料の探し方等の説明がある。

     論文完成後はゼミ内発表を行う。
  表現:1人1つの論文を作成する。
 このような取り組みの中、ついに2月15日(水)に論文発表会が行われました。各ゼミの代表者が大学のホールで発表しました。スライドも工夫され、聞き手に伝えようという姿勢が伝わってくるものでした。質疑応答の時間は聴衆者を含め、発表内容を深める良い機会となりましたが、さらなる調べの必要性を感じる場面でもありました。論文、調べ学習というものが終わりのないものだと実感できたと思います。
 3年生は今年度、理科の授業で新聞作成やスライド作成(KP法)を行いました。新聞作成は2年生の地球市民講座で、スライド作成・発表については3年生の地球市民講座で経験済みです。どちらの授業も立会いましたが、「調べる、まとめる・発表する」ことに対しての抵抗感は低く、書く力が徐々に身についていることを感じました。これは、2年間地球市民講座で調べ学習〜発表を継続して経験してきたことによるものだと確信しています。「継続は力なり」という言葉がありますが、今の3年生にぴったりです。そしてこのアカデミック・スキルは今後この世の中で大いに役立つでしょう。(司書教諭 九渡 愛美)


『校報』第111号(ブログ版・その8) 中学合唱コンクール

中学合唱コンクール

 

 

 2月24日(金) 神奈川県立音楽堂に於いて中学合唱コンクールを行いました。今年はクラスの個性が発揮された演奏が多く、また、良い演奏をしようという気持ちがとても伝わってくる演奏でした。ご来場いただきました保護者の皆様、ありがとうございました。
(芸術科(音楽) 深野 基)

 

2016年度 中学合唱コンクール 審査結果
1年生の部 最優秀賞 1年2組
      優秀賞  1年5組
2年生の部 最優秀賞 2年6組
      優秀賞  2年2組
3年生の部 最優秀賞 3年5組
      優秀賞  3年1組

 


『校報』第111号(ブログ版・その7) アラスカ研修

アラスカ研修

 

 

 10年後、20年後に理系分野で活躍する人材を育成するための入門として、昨年度からアラスカ研修が設定されています。2回目となる今回は、自然や宇宙、不思議な現象が好きな8名の男子生徒(3年生5名、4年生3名)が参加し、7日間の旅程で行われました。
 まず事前学習として、成蹊大学の藤原均先生に来校していただき、オーロラ発生のしくみやオーロラを光らせるために必要な要素などについて解説していただきました。また地球上でオーロラを観測できる地域や他惑星のオーロラのようすなどについての話もあり、オーロラに関する興味が高まりました。
 1月14日の最終説明会では、出発前の諸注意の他、オーロラ写真の撮り方やカメラの扱い方などに関するレクチャーが行われ、1月21日には国立極地研究所の南極・北極科学館を訪れ、南極や北極でどのような観測活動が行われているか、地磁気共役点や共役点
オーロラなどに関して学びました。
 1月29日(日)成田発の便に乗り、約7時間半でシアトルに到着後、さらに飛行機を乗り継ぎフェアバンクスに到着しました。フェアバンクスの気温は-15℃程度で、震えるほどの寒さでしたが、現地の方に伺ったところ、先週は-50℃の日が3日間続き大変だったとのことでした。でもその日も学校は平常どおり授業が行われたと聞き、さらに驚きました。
 空港近くのホテルで防寒着を借り、スーパーで水やお菓子などを買い込み、バスで宿泊地であるチェナ温泉に向かいましたが、途中で巨大なムースが道路に飛び出してきました。
 初日から3日間はチェナホットスプリングスリゾートに宿泊して、オーロラを観測します。午後11時頃、防寒着を身につけて撮影用の機材を持ってアクティビティセンターに集合しました。
 夜空には多くの星が輝き、オーロラが出現する予感がしました。約1時間後にオーロラが発生しましたが、白くぼんやりとした雲にしか見えません。しかしカメラのレンズを通すときれいな緑色に見えるではありませんか。早速シャッターを切り、オーロラをカメラに収めました。
 2日目はブランチを取ってからアイスミュージアムを見学し、午後は温泉に入ったり、クロスカントリーを楽しんだりしました。夜はやや曇っていたため、昨日のようなきれいなオーロラを見ることはできませんでしたが、私たちの目はオーロラと雲を見分けられるようになってきました。
 3日目はブランチを取った後、犬ぞりを体験しました。そりを引くのはアラスカンハスキーなどで、約70頭の犬が敷地内で飼われています。私達が乗ったそりは14頭の犬が引きましたが、犬達はそりを引くメンバーに選ばれるために、犬小屋の周りをクルクル回ったり、吠えたりして大いにアピールしていました。そりのスピードは意外に速く、周りの雪景色が流れるように見えて美しかったです。その後、チェナ温泉で行われている地熱発電装置や温泉のお湯を使っての野菜栽培のようすなどを見学しました。夜は雪上車で約15分登った山の上でオーロラを観測しました。山頂から見る夜空は全天が晴れており、素晴らしいオーロラが全方位に見えました。特にオーロラのブレイクアップという現象が起こり、オーロラが幕のように広がったり、渦を巻いたり、筋状に伸びたりしたのでとても感動しました。現地の方々もめったに見られないほどの珍しい光景だったようです。約3時間観測しましたが、ほとんどの生徒は時間を忘れて写真を撮り続けました。
 4日目にチェナを出発してフェアバンクスに向かいました。その途中で石油のパイプラインを見学後、アラスカ大学北方博物館に立ち寄ってアラスカの歴史や野生動物の種類・生態などについて学びました。アラスカ大学では、留学生のパトリシアさんからオーロラが発生するしくみなどに関する講義を受けました。夜はレストランで分厚いステーキを食べた後、郊外にある「オーロラハウス」で北端幸喜氏の指導の下、オーロラを観測したり、集合写真を撮っていただいたりしました。
 翌日はアンカレッジ経由でシアトルに向かい、シアトルで1泊した後、日本に戻りました。
 今年は太陽の活動が余り活発ではないため、オーロラが見られないかもしれないと聞いて少し心配していましたが、4日間とも観測できたのはとても幸運だったと思います。
 今回の研修はオーロラを見ることだけが目的ではありませんが、オーロラが参加者の胸にしっかりと刻まれ、大自然に関しての興味が深まったことは確かです。極地で暮らすための知恵や工夫なども見たり聞いたりすることができ、充実した研修旅行であったと信じています。(引率 大村 美和子)


『校報』第111号(ブログ版・その6) セブ島英語研修

セブ島英語研修

 

 

 1月29日(日)〜2月5日(日)、高校生2名、中学生4名、保護者1名、計7名の参加で研修が行われました。研修中は体調不良を訴える生徒もなく、充実した研修を無事に終えることが出来ました。保護者の皆様をはじめ、この行事を支えていただいた方々に心より感謝致します。今回お世話になりました現地語学学校「First English Global College」は熱心な先生方がそろっており、短期間に最大限の効果を上げることが出来たと思います。到着した翌日には聞く、読む、発音、書く4つの力が調べられ、個々の弱い所を学習するプログラムが組まれました。丁寧かつ細やかな学校の姿勢を感じました。食事や宿泊する場所がすべて学校の敷地内にあり、移動時間の無駄を省いて英語に集中することが出来ました。
【1月29日(日)】
 12時に成田空港第2ターミナルに集合後、現地時間の19時にセブ島に到着。20時半頃に夕食を取ってから各部屋に戻り、就寝しました。
【1月30日(月)】
 午前中に英語力テストがあり、各自の英語力が分析されました。

【1月31日(火)〜2月3日(金)】
 1レッスン50分間、午前と午後に4レッスンずつのハードな日々です。最終日には修了式があり、1人ずつ感想や感謝の言葉を英語でスピーチしていました。
【2月4日(土)】
 昨日で語学学校のプログラムは終了となり、この日はボランティア団体「だれでもヒーロー」の活動に参加しました。この団体は、山中博氏が立ち上げ、フィリピンの抱える格差社会の問題解決に尽力されています。貧困層の子供28名を選抜し、食事や文房具、勉強に取り組める環境を提供されています。詳しくは山中氏の著書『ことばだけの・・・グローバル人材なんていらない!』に書かれています。
 さて、私達は日本のかるたを紹介するために、遊び方を英語で説明する準備をして行きました。驚くことに彼らはひらがなを普通に読むことができ、すぐに遊び方を理解して楽しんでいました。昼食後、スタッフの案内である貧困地区を見学しました。電気やガス、水道がない場所で、学校に通えない子供達が20人程遊んでいました。中には靴を履いていない子供もいましたが、このような状況にあっても、屈託のない笑顔が溢れていました。(引率 田中 高生)

 

**********

 

【参加者の感想】
 私は3回目のセブ島研修でした。今まで行った中で一番良い研修でした。理由はグループレッスンが関東のみんなと一緒で、分からなかったら周りの友達や先輩、現地の先生が教えてくれてとてもわかり易かったからです。マンツーマンも自分のレベルに合わせて、発音、イディオム、瞬間翻訳の授業があり、先生が自分の席に来てくれるので、授業の間にある10分間の休憩を有効に使えます。最後の授業は必ずマンツーマンで、バディーティーチャーが、その日に受けた授業の復習やその日の授業で分からなかったところの解説、また、その日に出た宿題を見てくれるので日に日に単語を覚えることが出来ました。今回の研修は特に英語の上達を実感できました。セブ島に行って、得するところは英語力向上の他、関東の友達が増えるところです。今回は、友達になったメンバーが面白い人たちだったので、また同じメンバーで行きたいと思いました(不可能だけど)。(2年5組 女子)

 

 今回初めてこの研修に参加しました。一番の目的は英語力のアップですが、昨年3か月留学していて、帰国してからのブランクを埋めるためでもありました。この研修の特徴は、授業が先生とマンツーマンということです。そのため、今回のようにとても短い期間の留学でも急速に上達できます。1日8時間授業でそれぞれ苦手な分野を徹底してレッスンしてもらえるのでとても内容の濃い時間を過ごせました。
 今回、自分で思っていた以上に多くのことを学べて、英語力を取り戻す以上に新たに上達できたと実感できました。

 また、最終日にはボランティア活動として現地の施設に行き、子供たちと触れ合うことによって実際に行かなければわからない、日本では考えられない生活を見たことは自分にとってとても貴重な経験だったと思います。(5年3組 男子)


『校報』第111号(ブログ版・その5) スキー・スノーボードスクール

スキー・スノーボードスクール

 

 

 私は、5歳のときからスキーをしています。何よりもスキーが好きで、スキー・スノーボードスクールには毎年必ず参加していました。
 蔵王のスキー場は、パウダースノーと呼ばれる雪質の良いゲレンデが特徴で、いつでも快適に滑ることができます。また、コースが多く、初心者の人でも安心して滑ることができるのではないでしょうか。
 昨年までは、毎年クリスマスの時期にスクールが実施されていましたが、今年からは2月に変更になったため、雪も多く、樹氷のライトアップも見ることもできて、とても綺麗でした。
 スキースクールと言うと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、スキー初心者でも大歓迎だそうです。インストラクターの方々が、とても丁寧に滑り方のポイントを教えてくださるため、初心者でも最終日にはある程度滑れるようになります。また、経験者にもさらに上達するポイントを教えてくださるため、難しいコースでも滑ることができるようになります。
 私にとって、今年で最後のスキー・スノーボードスクールでしたが、蔵王で楽しい思い出をたくさん作り、技術も上達することができました。卒業後も蔵王に足を運びたいと思います。     (6年1組 女子)

 

**********


 今年は2月1日〜4日の入試期間中に、山形県蔵王温泉スキー場で3泊4日のスキー・スノーボードスクールが開講されました。
 出発当日、参加生徒84名は集合時間の前に全員集まり、予定の時刻を待たずして出発しました。生徒たちは移り変わる車窓の景色に胸を躍らせながら、新幹線車内での時間を楽しんでいました。宿泊場所は、「ホテル樹林」です。宿に到着し、一面真っ白なゲレンデを目の前にした生徒たちは興奮気味でした。開校式後は、初心者と経験者に分かれ、初心者は早速板を履くところから始めました。初めてスノーブーツを履き、板の上であたふたしている生徒たちも、インストラクターの方々の指導の下、すぐに上達していきました。経験者のグループは、移動の疲れも見せずに、スキーやスノーボードを楽しんでいました。
 2日目は、講習・フリー滑走と各々練習をし、少しでも滑ることができるようにと努力していました。講習後のフリー滑走では学んだことを活かし、友人と楽しく滑っていました。夕食後は、ナイタースキーと樹氷ツアーを実施しました。ナイタースキーには、初心者を含めて多くの生徒が参加しました。昼間見ることのできないライトアップされたゲレンデを滑り、生徒たちは大満足の様子でした。樹氷ツアーは、氷点下20度の吹雪の中で行われました。あいにくの天候で、樹氷を見ることができたのは、わずかな時間でしたが、神秘的な自然の力を目の当たりにしたようです。
 3日目は、天候が悪く、吹雪で前の人についていくのがやっとの状態でしたが、頂上アタックをしたグループもいたようです。体験したことのない寒さに声を失っていましたが、吹雪にも負けず、講習の成果を発揮しようと懸命に滑っている姿は一段とたくましく見えました。下山の際には、練習の成果を発揮しようと積極的に教わったことを試しながら滑っていました。そして、多くの生徒が講習を終えても、部屋には戻らず、時間いっぱいまで練習していました。なお、この日は節分ということで、鬼に扮した教員がゲレンデに現れ、豆まきをしたとかしないとか……。
 最終日は、お世話になった宿に別れを告げ、帰路につきました。
 このスキー・スノーボードスクールを通して、生徒たちは諦めない強さ、目標に到達した際の喜び・達成感など多くのことを感じ、学んだのではないかと思います。また、今回も1年生から6年生までの幅広い生徒が参加しました。6年生の中には、6年間参加し続けた生徒もおり、最後のスクールを楽しんでいました。また、滑る技術や楽しさだけではなく、共同生活をする中で「共に生きる」ことを学び、上級生が下級生の面倒を見る様子も見受けられました。この経験をこれからの学校生活にも活かしてほしいと願います。最後になりましたが、多方面においてご支援いただいた皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。     (引率 小柳 彩)


『校報』第111号(ブログ版・その4) カンボジア・サービス・ラーニング

カンボジア・サービス・ラーニング

 

 

 皆さんはカンボジアを訪れたことがありますか。
 本校で第3回となるカンボジア・サービス・ラーニングに、有志生徒8名とカンボジアを訪れました。12月22日〜 28日の7日間の研修です。
 クリスマスのこの季節、カンボジアは乾季で日本の真夏を思わせる蒸し暑さです。研修前半はプノンペンを中心に現地の中学校とサトウ・ジャパン・センターの2箇所で、後半はプノンペンから南へ約150キロ離れたタケオの小学校で、それぞれ教育ボランティアを行いました。
 なぜ、カンボジアなのか…。教職にあった佐藤亮二先生が「アジアの子供たちに教育を通して支援したい」という思いから、カンボジア・キエンスワイに私塾サトウ・ジャパン・センターを設立。英語、日本語を教える傍ら、「日本とは違う国の状況を知って、生き方のヒントをつかんでほしい」との思いから、日本とカンボジアの若者の交流の場を設けられました。その活動に参加するのが、私たちの研修です。
 訪問した学校は、どちらも教室は2つ、広さは日本より少々狭く、木製の机に長いすがセットになったものに3人がけ。電灯はなく、窓からの光で授業を行い、半日で終了。体育や理科実験の授業はなし。白のシャツに黒のズボン・スカートが標準服。でこぼこの空き地が校庭で、彼らはそこを素足で走り回ります。サトウ・ジャパン・センターは「村の小さな集会所」の風情で、広さは日本の教室の3分の2程度。そこへ放課後、下は4歳から上は高校生まで40人もの子供たちが次々と勉強しにやってきます。そこで日本語を学んでいる女の子が「日本に留学したい」と目を輝かせながら話してくれたのが印象的でした。
 そのような場所で「私たちはどのような教育ボランティアができるだろうか」と考えました。悩んだ末、今回化学部員が参加することから、小中学校では化学実験の演示と体験(フィルムケースロケット、スライム作り、空気砲)、サトウ・ジャパン・センターでは日本文化の紹介として「うちわ作り」と決まりました。その他では、佐藤先生から「運動会をやってほしい」という要望があり、こちらは毎回行っています。
 事前学習は11月初めから定期的に行いました。献金・献品の呼びかけと受付、寄せられた品物の仕分けと箱詰め、実験の練習とクメール語の説明書き、カンボジア留学生によるクメール語会話講座、カンボジアの歴史の勉強など、毎回下校時間まで活動しました。
 その甲斐あって、現地での教育ボランティアは大変有意義なものとなりました。自然の風が常に出入りしている教室で空気砲の実験だけはうまく行きませんでしたが、あと2つの実験はカンボジアの子供たちにはとても興味を引くものだったようです。皆喜んで参加しており、苦労して準備してきた私たちにとっても嬉しい時間となりました。
 小学校の運動会では、競技のお手本を本校生徒が示し、炎天下の校庭を汗だくで走り回りました。クリスマス会では、皆でサンタの帽子をかぶり、1人は暑い中サンタクロースに扮して、子供たちにプレゼントを配りました。
 サトウ・ジャパン・センターでは、英語混じりの身振り手振りで、何とかうちわを作り上げました。8名の生徒にとっては、他では得られない貴重な体験になったことは間違いありません。
 今回の研修のもう1つの目的は、カンボジアの過去から現在を肌で感じることです。プノンペンは今建設ラッシュに街中が活気づいており、屋台が立ち並ぶ古いマーケットからイオンモールのような大型ショッピングセンターまで、新旧が混在している町です。車よりバイクの数が多く、信号はあったりなかったり、横断歩道はなし、歩行者は好きなところで道を渡ります。豪華なホテルが立ち並び、ナイト・マーケットあり、メコン川クルージングあり、先進国の首都を思わせる賑わい振りでした。そうかと思えば、郊外へ行くと、畑が広がり、白い牛が草を食んでいる。小さなお店が連なり、出稼ぎなのか若い男性はおらず、しかし村の中心には富裕層と思われる住宅が建っている、という田舎町が続いています。途中、遺跡を見学、そこに住む子供たちとの交流も行いました。
 中でも特に衝撃的だったのは、ポル・ポト政権下クメール・ルージュによる自国民の大量虐殺の歴史です。現場となったキリング・フィールド、トゥール・スレン博物館(収容所跡)を見学したときは、あまりの悲惨さに息を飲みました。現代でも国の指導者次第では恐怖政治になりうるのだと、生徒たちは深く心に刻んだことと思います。
 暑い中、体力的に過酷な日もありましたが、子供たちのたくさんの笑顔に触れ、ごはんもおいしく、最終日には「もっといたい」「日本に帰りたくない」という声が聞かれるほど、楽しい研修でした。参加した彼らが社会に出たときに、この経験がぜひ生かされることを期待します。     (引率 中村 優子)


『校報』第111号(ブログ版・その3) 5年生 九州研修旅行

5年生 九州研修旅行

 

 

 今年度の九州研修旅行は12月5日から8日まで、例年より1泊少ない3泊4日の日程で行われました。
 初日。羽田空港から2便に分かれて出発。長崎空港で合流して平和講演へ。毎年講演をしていただく和田耕一さんから今年もお話を伺いました。原爆投下時に高校生だった和田さんも83歳となり、ご高齢の方によく見られる同じ内容を何度か繰り返してしまう場面もありましたが、生徒たちはしっかりとした態度で、最後まで真剣な表情で話に聞き入っていました。以下は講演を聞いた生徒の感想です。


*******

 

 今回の平和講演を聞いて、戦時中の人々の心情を鮮明に感じた。食料が不足している時の不安、勉強をやめて、戦争に直接参加するような仕事を命じられたときの不満、戦争が終わったらしいと耳にしたときの安堵。いずれも戦後70年以上経た今、我々の普段の生活で決して感じることの無いものだろう。今日の講演を聞いて分かるように「ぜいたくは言わず」「命令に背かず」「不平不満を口にしない」ことが当然になっていた戦時(知覧の特攻隊の遺書が重なるが)、でもやはり、日本が負けても、戦争が終わってよかったと思った人がいたんだなあと強く思った。
 「原爆」「終戦70年」などと聞くとずいぶん遠い昔のことのように感じられるが、戦争の罪は当時の人たちだけが負うものではない。愛国心ゆえであれ、「お国」の防衛のためであれ、そして「戦時だから」であれ、暴力によって相手に自分の意思を押しつけたことは罪そのものである。そしてそれを知っている私たちがすべきことは子孫への継承だ。「戦争はしてはいけない」だけでは不十分だろう。「平和は保持しなければならないもの」であること、それから罪の意識も伝えていかなければならない。国を超えて世代を超えて継承していかなければ、きっとまた歴史は繰り返す。
 日本の平和でさえ危うい今、「戦後80年」への鍵は私たちの世代の行動にあるのではないだろうか。今日の講演でのお話をしっかりと心に留め、同じ日本に生きた者として、同じヒトとして、必ずその義務を果たし、平和の保持に貢献していかなければと思った。     (4組 女子)

 

*******


 2日目。軍艦島上陸班は一足早く波止場へ。その他の者は班ごとにホテル目の前の停車場から路面電車に乗って市内自主見学に出発していきました。教員も二十六聖人記念館や如己堂などのチェックポイントに交代で出没しましたが、マナー良く見学している様子が伺えました。帰着後は夕食前にロープウェーに乗り稲佐山へ。今シーズン最後の営業日とのこと。観光客で混雑していましたが、冬の澄んだ夜空に浮かび上がる世界三大夜景は見事でした。また、一部の生徒たちだけ見ることができた薄暮の風景が、これまた格別であったようでした。

 3日目。昨日上陸した生徒たちは聖コルベ記念館とシーボルト記念館の見学へ。軍艦島クルーズの生徒たちとは昼食で合流し、「長崎ハトシ」や「具雑煮」などの郷土料理を頂きました。午後は遠藤周作文学館やドロ神父記念館などを訪れ、いろいろな側面からキリスト教と長崎の人々との繋がりについて学ぶ機会を持つことができました。
 さて、この日の宿泊は前年の夏に開業したばかりの「変なホテル」です。顔認証システムでのロック解除や、部屋内のコンパニオンロボット「チューリー」がなかなか思い通りにならず、人によるサービスの偉大さを再認識する者もいたようです。また、園内のホールで行われたハウステンボス執行役員の方からの講演では、地方にあって如何に多くのお客さんに来園してもらい、リピーターになってもらうかという企業戦略の一端を伺い、生徒たちは熱心に聞き入っていました。最後は閉園時刻まで自由見学と、この日は盛りだくさんの一日となりました。
 最終日。最後の園内自由行動。生徒の人気はドームシアターやワイヤーロープ滑空など。友人と過ごす時間を満喫していたようです。ぎりぎりまで友人と楽しい時間を過ごした後福岡空港へ。夕焼けに映える富士山を左手に見ながら、177名の生徒たち全員揃って空路関東へ戻ってきました。
 今年度は5月に起こった熊本地震の影響が残り、一部コースの変更を余儀なくされましたが、大変充実した研修旅行を行う事ができました。毎年お世話になっていた南阿蘇の復興を願いつつ、研修旅行の実現に骨を折っていただいた方々、保護者の皆様のご理解とご協力に感謝申し上げます。     (5学年主任 松田 修)


『校報』第111号(ブログ版・その2) クリスマス諸行事報告

クリスマス諸行事報告

 

◯アドベント礼拝

 

 昨年度まで「点灯式」として守ってきた礼拝を、本年は「アドベント礼拝」として、より待降節を意識できるようにしました。2016年の教会暦では11月27日からがアドベントでしたので、24(中学)・25日(高校)、朝の礼拝時に礼拝堂で執り行いました。
 街はクリスマスまでの期間、きらびやかに彩られ、パーティー気分の人々が行きかいます。その中の一人であったとしても、本校の生徒には、アドベント礼拝のメッセージを思い起こし、本当のクリスマスの意味を静かに考える瞬間も持ち合わせて欲しいと願います。
 本年もこの日から、YMCAのみなさんとクリスマス礼拝ボランティアスタッフ(大道具・小道具係)のみなさんが設置・飾り付けをしたクリスマスツリー等に灯りが点されました。

 

1.jpg2.jpg

 


○クリスマス賛美礼拝

 

 12月10日(土)、クリスマス賛美礼拝を執り行いました。本年度も礼拝とゴスペル演奏の2部構成としました。

 吃瑤領蘿劼任蓮伊藤宗教主任からマタイによる福音書1章23節を通してメッセージがなされました。
 局瑤亘槐よりバージョンアップをし、軽音楽部の演奏が加わりました。クリスマス定番のナンバーの迫力ある演奏に、会場のテンションは一気に上がっていきます。
 続いて、本年も国友よしひろ先生ディレクションによる、関東学院六浦ゴスペルクワイヤのみなさんのゴスペル演奏。幅広い年齢層で構成されているクワイヤのみなさんにより、6曲が演奏されました。
 賛美礼拝は近隣地域の方々にもクリスマスの喜びを知っていただこうと、地域伝道の目的を含めてスタートしましたが、本年は例年に比べると卒業生が多くお越しくださいました。在学中は毎日守られる礼拝も、卒業してしまうと日々の忙しさも相まって、遠い存在になってしまうものです。卒業生がこのような機会にいま一度、神様と向かい合うことができるのは、大切なことだと気づかされました。
 次回も、より多くのみなさんとクリスマスをお祝いできるよう、工夫してまいります。

 

≪第局堯.廛蹈哀薀燿
 軽音楽演奏
  「All Want For Christmas Is You」
  「Extraordinary Merry Christmas」
 ゴスペル演奏
  「The Best is yet to Come」
  「Better」
  「No Christmas without You」
  「The Night that Christ was Born」
  「We are not Ashamed」
  「Oh Happy Day」
 合同演奏
  「Joyful Joyful!」

 

3.jpg5.jpg6.jpg7.jpg

 

 

○中高クリスマス礼拝説教

 

 本年度のメッセージは中高共に在日大韓基督教会川崎教会牧師の金 健先生をお招きし、『狭い門のところで』と題してお話しいただきました。

 

4.jpg

 


○中学クリスマス礼拝

 

 本年度も、本校の伝統的な中学クリスマス礼拝のスタイル、生徒によるページェントおよび十字架行進、そしてトーンチャイム演奏を取り入れた礼拝を守りました。
 出演者のみなさんは練習時間の確保が厳しい中、昼休みや放課後、そして直前の猛練習に力を尽くしました。
 トーンチャイムや聖歌隊には高校生も多く参加し、ページェントは中学の上級生が積極的に配役に加わったことで、アットホームな雰囲気で演じたのが印象的でした。

 

11.jpg12.jpg10.jpg

 


○高校クリスマス礼拝

 

 高校のクリスマス礼拝では、トーンチャイムの演奏に続いて、4年生全員が「This little light of mine」「Go tell it on the mountain」という2曲のゴスペルを、元気いっぱいに歌い上げました。
 例年のことではありますが、本校のクリスマス礼拝はここまでご紹介したパートの他にも、多くのボランティア生徒の力に支えられています。貴重な時間を割いて奉仕した一人ひとりの生徒に、この場を借りて心から感謝を申し上げます。

 

8.jpg9.jpg

 


○クリスマス献金のご報告

 

 本年度も、クリスマスにあたり、皆様から多くの献金が寄せられました。感謝申し上げます。
 すでにKGM通信でもお知らせしておりますが、あらためて集計報告と共に、献金先の一覧をご紹介します。各団体をおぼえ、日々の祈りに加えていただければ幸いに存じます。
 南スーダン共和国は、2011年7月、50年以上にわたる紛争状態を経て、北部のスーダン共和国から独立した国です。この地域ではめずらしく、おもな宗教はキリスト教で、クリスマスは祝祭日とされています。しかし、現在でも内戦と隣接国との緊張状態が継続しており、人々は混乱の中にあり、2月22日には正式に国連機関が「飢饉状態」を宣言しています。「食べる」という人間の最も基本的な欲求が満たされない状態では、クリスマスを祝うことも、祈ることさえままなりません。
 例年、本校のクリスマス礼拝は学期末と重なり、教職員も生徒もあわただしく忙しい中で準備にあたります。このような状況下、「忙」の字が「心を亡くす」と書くように、時折、クリスマスを祝い、礼拝を守るほどの平安が与えられていることへの感謝を忘れてしまうことがあります。
 しかし、グローバルな視点で世界をみわたす時、あらためて私たちにとっての日常が当然ではないことに気づき、感謝すると共に、いまを生きぬくことさえ困難な兄弟姉妹のために祈る心を思い返します。     (宗教部部長 手塚 裕貴)

 

《2016年度クリスマス献金集計報告》

 

     生徒ならびに教職員献金   426,845円
     クリスマス賛美礼拝献金   212,125円
     2014年度繰越金          0円
     クリスマス献金総額     638,970円

 

クリスマス献金は、次の21団体へお送りさせていただきました。

 

1.日本基督教団 東北教区被災者支援センター・エマオ(東日本大震災支援)
2.(学)横浜訓盲学院(視覚障がい者福祉施設)
3.(福)恵和(知的障がい者福祉施設)
4.(公社)日本キリスト教海外医療協力会(アジアの無医村地域での医療活動)
5.(社福)横浜いのちの電話(電話相談活動)
6.(特非)信愛塾(在日外国人教育生活相談センタ−)
7.(社福)日本医療伝道会衣笠ホーム(特別養護老人ホ−ム)
8.日本キリスト教団 神奈川教区寿地区活動委員会(生活支援団体)
9.(特非)アジアキリスト教教育基金(バングラデシュの寺子屋支援団体)
10.日本バプテスト連盟 国際ミッションボランティア・佐々木さんを支援する会
(アフリカのルワンダ平和支援活動団体)
11.日本バプテスト神学校
12.(福)汀会 止揚学園(知的障がい者の施設)
13.日本キリスト教協議会教育部(プロテスタント諸教派の合同団体)
14.(福)幸保園(児童養護施設)
15.(福)三育福祉会 特別養護老人ホーム シャローム
16.(特非)さざなみ会 シャローム
(地域活動支援センター、クリスマスクッキーの購入先)
17.日本バプテスト海外伝道協会
(タイ・カレン・バプテスト・コンベンションへの協力支援)
18.(学)聖坂学院(特別支援学校)
19.全国キリスト教学校人権教育研究協議会
20.(学)日本聾話学校(キリスト教精神に基づいた日本で唯一の私立聾学校)
21.(宗)日本バプテスト同盟(ネパール大地震支援のために)


『校報』第111号(ブログ版・その1) 2016年度 卒業生 式辞

2016年度 卒業式 式辞

             校長 黒畑 勝男

 

 

 皆さんは、今、関東学院六浦高等学校の課程を全て修めました。ご卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。そして、新たなる出発に、神様からの豊かな恵がありますようにお祈りします。
 今、入学の日のことを懐かしく思い出している人もいるでしょう。この礼拝堂の椅子に深々と座った入学式。座っている椅子を小さくなったと感じ、時の流れを嬉しくも寂しく思っている人も多いことでしょう。身体も心も、変化の最も大きい時期を関東学院六浦で過ごしたのです。数えられないほどの思い出となった経験、そして、その経験を通してたくさんのことを体得しました。


 関東学院初代学院長、坂田祐先生は、私立中学関東学院の第1回卒業式で次のように述べました。
 「人になれ 奉仕せよ。人になること、すなわち人格を完成することは、大変難しいことです。しかし、実行や実現が極めて難しくても、その理想に向って進んでいくこと、たゆまず努力をすること自体に価値があります。私は皆さんに、この理想によって努力するようにと勧めてきました。皆さんは全生涯を通して、理想の実現に努力すべきです。たとえ、この世の仕事に失敗してもよい。皆さんが自分の人生観の基礎をしっかり確立し、価値ある生涯を送ることができたなら、それは真の、本当の成功です。」
 初代学院長の坂田祐先生は、1915年(大正4年)、37歳で関東学院の前身である「東京学院」の教師となりました。4年後の1919年(大正8年)に私立「中学関東学院」の設立で初代学院長に就任しました。今、紹介した式辞の中学関東学院の第1回卒業式は1924年3月でした。その後、坂田祐先生は1937年(昭和12年)に、大きな総合学園となった関東学院全体の学院長に就任し、学院の発展に寄与されてきました。
 歴史の中に時を重ねて眺めると、坂田祐先生が東京学院の教師となった1915年は、日本が第一次世界大戦に突入した頃です。前年の1914年8月、日本はドイツ帝国へ宣戦布告し、連合国側で参戦しました。1919年の中学関東学院の設立の年は、第一次大戦が終わりパリ講和会議でベルサイユ条約が結ばれた年でした。日本は戦勝国の一つとして、大陸中国に本格的に進出を始めた年でした。また、坂田祐先生が、「人になれ 奉仕せよ」と語った中学関東学院の第1回卒業式は1924年3月、前年1923年の9月に起きた関東大震災の半年後でした。大変な苦労があったことは想像に難くありません。さらに、坂田祐先生が関東学院全学の学院長に就任した1937年(昭和12年)は、日本と中国の間の本格的な戦争のきっかけとなった盧溝橋事件が起きた年でした。
 坂田祐先生の「人になれ 奉仕せよ」は校訓となり、関東学院の卒業生は皆、この言葉を大切にしています。皆さんもこの言葉を抱いて卒業します。ただ、今述べた時代との関係性で考えれば、卒業の母校のアイデンティティを現す言葉であるからこそ、その背景にある思いに一度至らなければなりません。
 坂田祐先生は26歳の時、日露戦争に従軍しました。校訓とする言葉は、戦場の無残と悲惨、戦争の非情さの経験の中に深くかかわるものと推察します。キリスト者として、そして職業軍人として従軍しましたが、戦争から帰還して非戦論を唱えます。平和を創ろうとキリスト教信仰に立つ学校を率いつつ、「人になれ 奉仕せよ」を校訓として唱えました。坂田祐先生の経験的背景に思い至れば、その後に続けて唱えられた「その土台はイエス・キリスト也」を忘れてはいけません。皆さんの卒業にあたり、「人になれ 奉仕せよ。その土台はイエス・キリスト也」をあらためて、校訓の基として手向けたいと思います。
 坂田祐先生が、関東学院の学院長に就任した1937年(昭和12年)以降、日本は盧溝橋事件から第二次世界大戦、太平洋戦争への道を進んで行きます。その道は、坂田祐先生の思いとは真逆であったでしょう。戦時体制が強化される中、キリスト教を掲げる学校が学校行事などにおいても主義主張を貫くことには、想像できないほどの多くの困難がありました。1941年(昭和16年)12月には真珠湾攻撃があります。日本はいよいよ本格的に太平洋戦争へ入っていきます。当時、学校長として、ゆくゆくは戦場へ赴くかもしれない生徒たちの卒業式に、どれだけ身と心を引き裂かれるような気持ちで臨んでいたことでしょう。当時の普段の礼拝では、幾度も「インマヌエル」と、つまり「神ともにいます」と何度もおっしゃられたと伝えられています。そうした歴史の中で貫かれてきた校訓「人になれ 奉仕せよ」は、「その土台はイエス・キリスト也」を除いては考えられないことなのです。

続きを読む >>



calendar

S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>
selected entries
categories
archives
profile
search this site.
others
mobile
qrcode